マグランでのカトリックの学校の100周年のイベントで、スタントさんの演目を見る。高橋悠治さんから「ボロブドゥールの方で1,000人くらいでパフォーマンスするスタントっていう作曲家がいるらしい」と15年程前に噂を聞いていたスタントさんのパフォーマンスは、7,000人の観衆の前で350人の出演者によって行われていた。
その後、ジョグジャの芸大のコンサートホールでスボウォさん他とリハーサルをした後、本番前の空き時間に、スラマット・シュクールの講演に顔を出す。77歳の現在もアクティブに活動している作曲家。今年、新たな著書をジョグジャのArt Music Todayから刊行。「音楽は文化か自然か?」という章や、最低限の物を最大限活用することを提唱する「ミニマックス」という章など。そして、皮肉やユーモアや冗談に溢れるワークショップで、彼の顕在ぶりを体験することができた。スラマットの「口ガムラン」という合唱曲は、こちら。
スラマットの講演会を30分ほどで抜けて、コンサートホールに戻ると、学ランのような衣装が用意されていた。夫婦で学ランを着て出演するとは思わなかった。ジョグジャの芸大の創立記念日の特別演奏会の演目の一つに出演。タイの木琴、ガムランのグンデル、様々な民族楽器、西洋楽器が混在するアンサンブルでは、もちろん、1オクターブを7等分するタイの音階、5等分するスレンドロ音階、12等分する西洋音階が混在して、響きを作り出す。この複数の音階が混在する音楽は、最近のスボウォさんのアプローチで、独特な調和を生み出していた。