野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

火山に詳しい子どもたち

午前中は、島原第3小学校5年生25人とのワークショップ。活火山が存在しないイギリスと違って、活火山の麓に暮らす子ども達は、火山についての知識が豊富です。
イギリスの子どもの質問、「火山は太陽よりも熱いですか?」に対する5年生の答えは、「太陽の方が熱いよ。火山は、800℃」というもの。
「What's a volcano?」の日本語の歌詞(2番)を考えるにあたって、土石流、火砕流、次々に専門用語が飛び交う。こんな歌詞ができた。

土石流はただの岩
シュークリームが落ちてきた
ついに出ちゃったタバスコ
最後に火山、大爆発

「The Basic Rock Song」のイギリスのトニーが考えた堆積岩の振付も、「堆積するんだから、下から上にならなければおかしい」とダメだし。

新たに作った歌は、こんな歌。

火山の中に入れる?
ダメです、死にます
炎は学校まで来ますか
来ます、来ます
自然がいっぱい、島原
自慢の湧き水、島原

ヒューだけだったら、歌を作るだけで良いのだけど、サラがいるので、何か演劇的なことを盛り込む必要がある。歌いながらダンスを考える。子どもは、次々にアクションを考え出す。「しまばら〜〜」、と歌うところでは、友達を抱き上げます。

明日のワークショップでは、このつづき。新聞紙を持ってきてもらい、火山帽子を作ったり、歌の続きを考えて、ジオパーク国際ユネスコ会議の会場で、発表する予定です。

午後は、展覧会Geo-Genesisと連携した子ども向けの単発ワークショップ。こちらは、小学校低学年〜高学年まで、結構、年齢が色々。サラは、展示スペースでワークショップをしたいと言うし、ヒューは低学年だし、まずは一般客のいない別の部屋でワークショップを開始した方がいいと言う。また、山の絵を描いて、それから音階を考えたりして、メロディーを作りたいと言う。子ども達は、カスタネット、鈴、タンバリンなどの楽器を持参。2時間のワークショップだが、1時間半ほどで、バスの時間があるから帰らなければいけない子どももいる。その中で、歌をつくり、ダンスをし、絵を描き、音階を考え、楽器をし、さらに、会場を移動する。英語から日本語に訳しながら、これらのことを全部盛り込んでいくのは、大変。

サラは、自己紹介もなく、来た子ども達と手をつないで、踊り出したりする。ヒューは、来た子ども一人一人に握手をしに行き、子どもにトーンチャイムを渡す。ぼくは、お茶を飲んで休んだ後、子どもからは距離を置いて、鍵盤ハーモニカを吹く。3人のアプローチや、子どもとの距離の取り方は違う。

火山の歌の歌詞3番をつくった。こんな歌詞になった。

岩が勢いよく流れる
でっかいボールが振って来る
電車にちょっと似た音がする
それこそが火山

そして、これに合わせた振付を考えて、みんなで踊りながら言う。こういうラップの羅列は、振りがあった方が覚えやすい。今日、こうやって火山の歌を作ってみて思ったのだけど、イギリスの子どもが火山の歌を作ると、知らないからこそ想像力が働く。島原の子ども達が火山について歌を作ると、知っているから想像力を働かせにくい。今さらだけど、イギリスの火山についての歌を作った方が、想像力が働いて面白いのかもしれない。

外に行って山の絵を描き、展示スペースに行ってから、戻って来て、山の絵を楽譜に見立てて指揮をして楽器を演奏。さらには、ダンスしながら楽器を演奏。そして、新しい歌をつくった。

みみずもびっくり
もぐらもびっくり
ねずみもびっくり
火山

こわい わお
でかい 危ない

父さんびっくり
母さんびっくり
犬もびっくり
火山

こわい わお
でかい 危ない


夜は、湧水庵での津軽三味線の演奏を聴きに行った。津軽三味線を九州で聴くことになるとは思わなかったし、長崎県在住の津軽三味線奏者と甘く考えていたら、想像以上に素晴らしかったので、来て良かったと思った。昨日の子どもの狂言に、三味線、尺八、歌による民謡、今日の津軽三味線といい、ヒュー達は、日本の音楽を満喫。生田さん(市会議員)の計らいで、ぼくらも三味線を触らせてもらったり、ギターと鍵ハモと津軽三味線のセッションもした。
お抹茶も振る舞っていただき、日本を満喫。