野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

普賢岳とGeoTrio

地質学をアートを通して探求する我々GeoTrioは、本日は、雲仙の普賢岳登山をしました。登って驚いたことは、風の音です。海が近く風が強いので、妙見岳の上では、木々が風で見事なオーケストラでした。葉っぱの種類によって、音が違いますし、風の通り方で、音の鳴り方が、ずれて聞こえてくるし、空間的に聞こえてくるので、本当に繊細で美しい音で、ハイキングしながらも音が楽しいのです。ところが、カルデラに入った瞬間に、風の音はパタッと止みます。非常に劇的です。2日前から解禁になった新道(警戒区域で立ち入り禁止になっていた)を通れたのも、とても楽しく、平成新山に近づけたのも楽しかったです。煙も少しですが、あがっていました。普賢岳の山頂にも行きました。カルデラを出て下界に近づいてくると、ウグイスの声が本当にたくさんありました。何でも、島原は市内でも至る所でウグイスが鳴くそうですが、今年は例年以上にウグイスが多いのだそうです。

地質学の用語をいっぱい覚えております。何でも、高校の地学の教員がゼロという事態が、宮崎県、佐賀県などで起こっているそうです。日本のように地震があり、火山があり、地球について考える上で最適な国でこそ、地学は実体験を通して学べるはずなのに!

夜、この国際会議の前夜祭がありました。立食パーティーの特設ステージで、小学生たちによる狂言がありました。お酒を片手に話を止めない大人が多い騒々しい中で、マイクを使わずに生声で行う子どもたちの狂言は、素晴らしかったです。また、立食パーティーでザワザワする会場の中で、尺八、三味線に合わせて島原や福岡の民謡が演奏され、画家の方が、ライブで水墨画を描かれました。このパフォーマンスが本当に素晴らしく、日本の伝統芸能が、こんなに良い形でプレゼンされているのは、とても良いな、と思いました。

いよいよ明日から、アートによる地質学探究ワークショップが始まります。