野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

スボウォさんとの打ち合わせ

 ジョグジャ屈指の天才、スボウォさんが訪ねて来る。インドネシアのアーティストは、あまり経歴を大々的に公開していない人が多いので、その全貌は、謎に包まれているが、間違いなく多才。ぼくのインドネシア語の理解/誤解により得られた(やや不確かな)情報で言えば、もともとガムランや影絵をやる伝統音楽の家の出身らしい。伝統音楽の下地がばっちりある上に、芸大の舞踊科で舞踊を学び、ジャワ舞踊、バリ舞踊、スマトラ舞踊、カリマンタン舞踊など、あらゆるスタイルを習得。その後、ジャワの天才的な舞踊家ベンさんの音楽を担当し、ロンドンのロイヤルアルバートホールなど、世界中をツアー。芸大舞踊科の講師になり舞踊を指導する傍ら、マレーシアの映画の音楽を作曲したり、チェロ独奏曲を作曲したり、近年ではサウンドインスタレーションやワークショップなども行っているらしい。ジョグジャに滞在しているのだから、彼とコラボレートしない手はない。
 スボウォさんは、具体的にコンサートの相談に来てくれた。スボウォさんの案では、コンサートは4部構成で、

1)野村誠のソロ
2)野村誠+スボウォさん
3)野村誠+メメットさん
4)野村誠+ロイケさん

となると良いのでは、とのこと。メメットさんも芸大の先生で作曲家、フルートを吹くが、自分のスタジオに民族楽器を多数持っていて、面白いとのこと。ロイケさんは、ギターを弾くし、スボウォさんは、昨年インド5都市で公演ツアーをした時に購入したペナ(弦楽器)を使っても良いかも、とのこと。メメットさんが、文化会館と関わりがあるから、文化会館で開催できないか、聞いてみよう、ということになった。
 「マコトは、いつマレーシアに行くの?」
 「4月の初め。」
 「今、マレーシアから作曲家のサハヌムさんが来ているよ。1ヶ月ジョグジャの芸大に滞在しているけど、来週でマレーシアに帰るんだけど、紹介したい。」
と言って、サハヌムさんに電話をかける。
 「マコトは、マレーシアは、どこにレクチャーに行くの?」
 「UiTMという大学」
 「サハヌムさんもUiTMで教えているよ」
ということで、狭い世界。明後日、サハヌムさんと会うことになった。