スボウォさんと入れ替わるように、中学校の音楽教師パルチアントが訪ねて来る。パルチアントの中学校の校歌のメロディーを、ぼくが作曲したので、その曲を教わりに来たのだ。パルチアントは何度も練習し、挙げ句の果てに、ぼくの歌を携帯で録音して、譜面も書き写す、という念の入れよう。本気で、この曲を校歌にするつもりのようだ。
帰り際に、パルチアントに、Cublak-cublak Suwengの歌詞の意味を教えてもらう。ところが、こういうわらべ歌というのは、本当に翻訳不能なのだということが分かった。ジャワ語をインドネシア語に置き換えようとしても、
「うーん、これにあたるインドネシア語はない」
と頭を抱えるパルチアント。何とか、教えてもらった訳は、ぼくの理解する限りでは、こんな意味だ。わらべ歌の歌詞というのは、ミステリアスであるのは、日本もジャワも同じ。
耳飾り、その耳飾りは、いつも見える
たくさんの人がつけてるから、たくさん見える
突然、水牛の子どもの匂いがする
フンポンさん嬉しい
笑って隠したのは、だーれ?
空っぽの大豆が焼けこげる
空っぽの大豆が焼けこげる