野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

中学校の校歌とわらべ歌

 スボウォさんと入れ替わるように、中学校の音楽教師パルチアントが訪ねて来る。パルチアントの中学校の校歌のメロディーを、ぼくが作曲したので、その曲を教わりに来たのだ。パルチアントは何度も練習し、挙げ句の果てに、ぼくの歌を携帯で録音して、譜面も書き写す、という念の入れよう。本気で、この曲を校歌にするつもりのようだ。
 帰り際に、パルチアントに、Cublak-cublak Suwengの歌詞の意味を教えてもらう。ところが、こういうわらべ歌というのは、本当に翻訳不能なのだということが分かった。ジャワ語をインドネシア語に置き換えようとしても、
 「うーん、これにあたるインドネシア語はない」
と頭を抱えるパルチアント。何とか、教えてもらった訳は、ぼくの理解する限りでは、こんな意味だ。わらべ歌の歌詞というのは、ミステリアスであるのは、日本もジャワも同じ。

 耳飾り、その耳飾りは、いつも見える
 たくさんの人がつけてるから、たくさん見える
 突然、水牛の子どもの匂いがする
 フンポンさん嬉しい
 笑って隠したのは、だーれ?
 空っぽの大豆が焼けこげる
 空っぽの大豆が焼けこげる