野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

Piano Dances

福岡での遠田誠+野村誠によるワークショップに向けて。

Hugh Nankivellが今年の2月にハダスフィールド現代音楽祭のプロジェクトとして行ったPiano Dances aka Keyboard Choreography Collection volume3の報告書に目を通す。

これを読んだら、これが凄かった。

このプロジェクトは、野村誠とヒュー・ナンキヴェルのプロジェクトとして、2009年1月に、volume1を佐久間新さんをゲストにえずこホールで、7月にThe Sage Gatesheadで遠田誠をゲストに開催した。今回のvolume3は、初めて野村誠なしのバージョンで、Bob Lockwood(即興演劇の俳優、映像作家)、Jac Gaile(スピーチセラピスト)、Pat Alison(作曲家/演奏家)の3人をゲストに迎えて行った。

ピアノダンスとは? 次の4つの手続きで行うプロジェクト

1)幼児にピアノを与え、自由に遊んでもらい、アーティストがサポートし、そのセッションをビデオで記録する
2)子どものピアノの演奏をビデオから分析する
3)分析から得られたアイディアを起点に、大人が音楽/ダンス/演劇の作品を創作する
4)創作した作品を上演する

その後、どのような条件下で行われるべきか、実際にどのようなプロセスで行われたかなどが書かれており、関わったアーティスト達の試行錯誤の様子も描かれている。リードするのではなく、子どものやることにとことん追随していく、という発想は、初めて経験するゲストアーティストには、驚きと戸惑いとストレスを感じる経験であり、非常にインパクトがある経験だったことが伺えます。

ぼくは、文章を読みながら、そこに、ヒューが真剣にこのプロジェクトに取り組んていること、多くの疑問を吐き出しながら、模索しているエネルギーに、感銘を受けました。この文章は、単なる情報ではなく、独り言でもなく、強い意志のある投げかけ、魂のある言葉なのだ、と思いました。

膨大な量の情報が飛び交う世の中なだけに、淡々とした口調の中にも、力強いメッセージや問いがある文章には、心を打たれるな、と強く思い、福岡でのプロジェクトに向けて、大きなインスピレーションをもらいました。ありがとう。

まず、これを最初に見てください。

Piano Dances III - Interpretation & Inspiration from Bob Lockwood on Vimeo.

もっと興味がある人は、

Piano Dances II - Short Stories from Bob Lockwood on Vimeo.

さらに、興味がある人は、

Piano Dances I from Bob Lockwood on Vimeo.




ちなみに、以前、佐久間さんとボブの家を訪ねた時のコラボレーションはこちら

Bed & Breakfast 1 - Title Sequence from Bob Lockwood on Vimeo.

Bed & Breakfast 2 - Part One - Bed from Bob Lockwood on Vimeo.

Bed & Breakfast 3 - Part Two - Breakfast from Bob Lockwood on Vimeo.