野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

お湯の音楽会

ついに、お湯の音楽会の本番でした。予想以上の大勢の来場者で脱衣場が超満員状態で、最前列の方には、お湯が少しかかりそうな状況でしたが、無事、2回の公演をやり遂げました。お客さん、出演者、関係者の皆さん、本当にお疲れさまでした。

1回目の公演のプログラムが

1 フローリア(銭湯混声合唱団)
2 フロソロ(野村誠
3 フロデュオ(野村誠+やぶくみこ)
4 フロリズム1番「月光」(フロリズム隊Aチーム)
5 フロリズム2番「日光」(フロリズム隊Aチーム)
6 いいなフロ(銭湯混声合唱団+フロリズム隊Aチーム)
7 フローリア(銭湯混声合唱団)

2回目の公演のプログラムが

1 フローリア(銭湯混声合唱団)
2 フロソロ(野村誠
3 フロデュオ(野村誠+やぶくみこ)
4 フロリズム3番「マーチかみなり」(フロリズム隊Bチーム)
5 いいなフロ(銭湯混声合唱団+フロリズム隊Bチーム)
6 フローリア(銭湯混声合唱団)

でした。

公演をやってみて改めて気づいたのが、男湯のお客さんは、男湯の演奏者しか見えないし、女の湯のお客さんは女湯の演奏者しか見えないということです。しかし、音は、両方の音が聞こえるのです。半分は見えて、半分は見えないので、音だけで壁の向こうの景色を想像します。ソロは、男湯と女湯を何度も行き来することになりましたが、これも面白かったです。デュオでは、共演者の出している音は聞こえるのですが、実際、どうやって音を出しているのかは、耳だけが頼りで、想像しながら、時に真似をしたりするのですが、それは、同じ音の出し方なのかどうか、全く不明です。

ぼくの一生の中で「お湯の音楽会」を再びやる機会があるかどうかは分かりませんが、今回の企画は、いわゆるスーパー銭湯では実現できない企画でした。あくまで古風な銭湯という場ならではの音楽会ができて、嬉しかった。そこが人が集い交流する場として機能し、そこから音楽が発信できたことも、本当に嬉しい体験でした。

また、出演者は、7歳、高校生から、70代まで、幅広い年齢層で構成されたことも、嬉しいことでした。

他にも、いろいろ書きたいこともありますが、とにかく、こんなことが実現できてよかったです。

取材の朝日新聞の記者さんは、お湯にぬれまくって取材してくれましたし、西日本新聞にも記事が掲載される予定です。RKBのラジオは、一日密着取材で、本番の様子も録音していったので、どんな形で放送されるか楽しみです。

そして、泉山朗土さんの映像クルーが、頑張って撮影してくれたので、編集の後、展覧会期間中に、アジア美術館で上映されることと思います。これも本当に楽しみです。

アジア美術館の中尾さんはじめ、関係の皆さん、本当にお疲れさまでした。