野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

電話帳セッション

1週間滞在したクレムスを後にして、イタリアのトレヴィーゾに来る。ヨーク大学の大学院生でパーカッショニストのエンリコ・ベルテリ宅に、野村幸弘、やぶくみこと行く。今回のツアーは、佐久間さんのアレンジでブダペスト(17、18)、アナンのアレンジでペルヒトルツドルフ(19、20)、中川さんのアレンジでクレムス(21−27)、やぶさんのアレンジでトレヴィソ(28、29)となっていて、ぼくは何もアレンジできず。

エンリコのお父さんのペアトロもパーカッショニストで、土曜日には、ヴァレーズの「イオニザシオン」を演奏するそうで、練習の音が聞こえてくる。現代音楽のスペシャリストだが、スタジオで即興演奏を始めると、電話帳を床に広げて、マレットで叩き始める。電話帳はとてもいい音がする。イタリアのあいのてさんだ。即興も大好きなようだ。エンリコのお父さんは、聖書も叩いていて、ちょっと驚き。さらに、大太鼓にひもをつけて、水でぬれた手でこすって低音が響く巨大なクイーカーも作っているし、その後、ぶどう畑では、葉っぱから、石から、何でもリズムを奏でていた。明日のコンサートが楽しみだ。