野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

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15年ほど使ってきた「はてなダイアリー」が終了するというので、「はてなブログ」に移転する作業をしておりました。

 

これから、ここで日記を書いていきます。

 

久しぶりに自宅で過ごすことができ、久しぶりに自炊をすることもでき、ピアノを弾くこともでき、洗濯することもでき、事務仕事をすることもでき、掃除をすることもでき、読書することもできております。

 

携帯電話を持っていないので、仕事に向かう電車内などでは、だいたい読書をすることが多いのですが、短時間なので、小説は難しいんですけど、ぱっと開いたところを、1−2ページだけ読むなんてことを、よくします。だから、日替わりで違う本を持って出たりする。先日は、作曲家のエドガー・ヴァレーズについての本を、ぱっと開いたところを読んだら、1930年ごろ、パリで作曲家ヴィラ=ロボスが、毎週日曜日に自宅を開放していて、そこでの即興セッションで、ヴァレーズは南米のパーカッションを楽しんだ、とか書いてあって、面白かったのです。だって、ヴィラ=ロボスの作曲した曲は残っているけれども、ヴィラ=ロボスがオープンハウスで即興セッションしてたことなんて、全然知らなかったし、しかも、そこで南米の打楽器に出会ったヴァレーズが「イオニザシオン」という打楽器アンサンブルを作曲し、そうした影響で、アメリカの若きケージとかルー・ハリソンが打楽器アンサンブルしたのか、と思うと、自宅開放の即興の集いは、実は音楽史に大きく影響を残す大事なことなんじゃないか、と思うわけです。

 

別の読書の話は、14世紀の作曲家ギョーム・ド・マショーの本を読んでいて、気づいたこと。マショーのモテット16番は、定旋律が男声ではなく、女声なんですが、歌詞が「どうして、私の夫は私をぶつの?」という歌詞で、この上で二つ別の歌詞の歌が同時に歌われるのですが、それも夫に如何に不当に扱われているか、という内容の歌詞のようなんです。ということは、これDV(ドメスティック・ヴァイオレンス)についての歌か、と思うわけです。ぼく自身が、草柳和之さんの委嘱で、「DVカルタを歌にした」という歌曲を作曲したことがあるので、あれ、ぼくの曲とマショーのモテット16番は、近いかも、と思って興味を持ったわけです。

 

 

 

ほかにも読書ノート、書きたいこともありますが、今日はこの辺で。