ガムラングループ「マルガサリ」と築き上げてきた作品「桃太郎」。
2001年にぼくは関西に移住した。
その理由は、「桃太郎」を始めるためだ。
桃太郎を作曲し始めてから7年が経とうとしている。
桃太郎は、5年かけて作曲し、次の5年でアレンジ、演出を練り上げていくという気の長いプロジェクト。
3時間以上のガムランシアターの作曲は、2005年に一応完成。
全曲をメンバーとの共同作曲で練り上げ、全ての曲を、楽譜を使わずに、記憶により伝承していく作品。
このために、ぼくは膨大な時間と労力を注ぎ込んだ。
3年前に完成した音楽は、伝統音楽同様に、日々変化していく。
そして、いよいよ今年、8年目にして、インドネシアツアーをする。
10年目には、ヨーロッパツアーをして、「桃太郎」の10年が完成する予定。
8月のインドネシアツアーに向けて、3月23日に山口で「桃太郎」を上演します。
で、今日は、久しぶりに、マルガサリの練習に顔を出した。
かつて哲学者のシーンの音楽は、現代音楽風、ジョン・ケージ風の即興だった。
ここの音楽が、中途半端だったのと、哲学者役の哲学研究者の家高さんより、バロック風フーガみたいな曲をお願いされていた。
しかし、その宿題をすっかり忘れていたぼくは、亀岡駅で西さんの車に乗せてもらうと、
紙と鉛筆を用意してもらい、山道を走る車の中で作曲をした。
ペロッグ音階の音律を頭で鳴らしながら、紙の上に数字を書き並べていく。
カノンを書こうと思ったので、ガムランの楽器の対位法を考えることになる。
こうやって、ハーモニーを考えながら、この声部にこの声部がこんな風な関係で、と
頭の中でパズルのようにしながら、山道を行くと、
12小節書けたところで、スペース天(稽古場)に到着。
12小節の3声のカノンは、実際に音に出してみると、なかなかいい。
ぼくの作曲の場合、脳みその中にいる楽器の音は、けっこう貧弱な音なので、
作曲した曲を実際に生の楽器で発音したときは、
お〜〜〜、と感激する。
哲学者の音楽は、なかなかでした。
そのほか、空手家のシーンの音楽も、一新。こちらは、琉球風。
第3部の音楽は、「なんちゃって音楽」的に、世界のあらゆるスタイルの音楽をガムランでやる世界音楽の旅なのです。
第1部の新たに行われたしょうぎ作曲の曲、稲刈りの曲のニューバージョンなど、なかなか楽しい。
第1部のテーマは、しょうぎ作曲
第2部のテーマは、声と身体
第3部のテーマは、様々な音楽スタイル
第4部のテーマは、完全な即興
第5部のテーマは、音、そして歌
今日は、第3部までを通しました。
次回、月曜日の練習では、第4部、第5部をやります。第5部をどうしていくかが、楽しみなところ。