野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

動物の演劇〜山下残との公演に向けて

京都芸術センターで来年1月11〜14日まで行われる山下残くんとの公演「動物の演劇」の打ち合わせ。これは、「演劇計画2006」というイベントの一つで、演劇における「演出」という側面にフォーカスした公演です。ダンサーで振付家である山下残くんは、今回は演出にフォーカスして取り組もうというわけです。

ダンスなんかだと、「構成・振付・演出:山下残」なんていう表現が、よくあるらしいです。「構成・振付」というのは、音楽では「作曲」にあたる部分で、「演出」というのは、「指揮」にあたる部分かもしれません。音楽では、作曲家と指揮者というのは、完全に分業していますが、ダンスでは、振付家と演出家は分業することは少なく、一人で両方の役割を演じることが多い、ということです。演劇の場合は、「劇作」と「演出」となります。

こうした前提の上で、山下残くんは、最初、「野村誠の世界」というタイトルでオペラを演出しようという案を出していました。で、色々と相談していく中で、演劇なんかでも劇作家が戯曲を書くもとになる原作があることがありますが、その原作を何にしようか、と考えて、野村誠野村幸弘の映像「ズーラシアの音楽」、「ウマとの音楽」の音楽を原作としました。普通はテキストを原作にするところを、音楽を原作として、演出していこうというわけです。

ぼくは、この原作をもとに上演台本にあたる戯曲を書く作業をすることにしました。それが、アコーディオン+ピアノのために、曲を書き直す作業です。春に山下残くんと打ち合わせをした時に、たまたま見せた大田智美さん(アコーディオン)と佐藤信子さん(ピアノ)の演奏のDVD。それを残くんが気に入ったので、この編成でやることになりました。ピアノはぼくが担当し、アコーディオン大田智美さんが、演奏することになりました。

公演は多分1時間程度のものになり、全編通して、大田智美さんとぼくの演奏で、野村誠の音楽が鳴り響きます。

出演するダンサーは、山海塾のダンサーで、京都造形芸大教授の
岩下徹さん、
エンタテインメント・ダンス集団「呆然リセット」の
垣尾優さん、
フリーの俳優で元「劇団衛星」の
筒井加寿子さん、
舞台芸術集団dracomリーダーの
筒井潤さん、
Toyota Choreography Award 2002」で「次代を担う振付家賞・オーディエンス賞」を受賞の
寺田みさこさん
です。

ダンサー達は、原作の映像作品の音楽に合わせて練習、ぼくは作曲・編曲して譜面をドイツの智美ちゃんに送り練習し、12月13日から、約1ヶ月間、(年末・年始のちょい休み以外は)休みなく連日の稽古をして、全5回の公演になります。

詳しくは、以下をごらんください。

http://www.tp-kac.com/KAC_TP_j_zan.html