野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

6月2日

6月2日に、野村も実行委員をしているエイブルアート・オンステージ第3期の報告会が行われます。入場無料。宮崎、京都、新潟、東京などでの公演や製作過程の様子を、映像などを交えて報告があります。また、例年のように実行委員との「ああでもない、こうでもない」とディスカッションもあります。今年は、実行委員の一人の平田オリザさんが欠席なので、ちょっと残念ですが・・・。
詳しくは、以下のページへ
http://www.ableart.org/

ちなみに、エイブルアート・オンステージの第4期支援先の書類選考をやっています。せっかく応募してもらったし、こういう助成金の選考の一人にぼくなんかが入っているのは非常に珍しいことです。ぼくの基準では、書類の書き方が変でも通ります。たてまえだけ書いてあっても、本音が書いてないと、良くわからないので、本当は何がやりたいのかを一生懸命探します。きれいごとは誰でも書けるし、その人でしか書けない何かを書類の中に探します。それがストレートに書いてあるものを、まず探します。面白いプロジェクトになりそうだな、と思ったものは、果たして本当に面白いプロジェクトとして実現できるのか、もう一回冷静な目で質問を書き出してみます。その質問事項を事務局に送り、その点については2次選考の面接の時までに資料を用意してもらったりできるようにお願いする、ということにしました。

作曲家だったら、どんな曲を作っているのか、録音でも楽譜でもいいので、付けてくれれば、音を聴けば、ずいぶんいろんなことが判断できるのに、そういう資料を添付していない人が多すぎるのです。選考にあたるのがぼくなんだから、音源つけて欲しい。ワークショップを始めているなら、その様子の映像を軽く編集して送ってくれればいい。だって、言葉でうまく表現できないから、音楽やダンスなんかをやっているのに、既存の枠組みから逸脱することを期待しているのに、全部、書類の枠の中に文字だけで書き込んで応募する必要ないもん。

さらに、選考していくと、この書類でこの内容だったら、落ちちゃうなぁ、と思うけど、でも、別の応募者と共同でプロジェクトを立ち上げられるんじゃないか、と思ったりするケースもあった。これは、もちろん、人間関係、相性の問題もあるから、会ってみたりしないと分からないけど、でも、その辺も、ぼくの直感で提案してみていいんじゃないだろうか。昨年の取手アートプロジェクトのACDでの経験もあるので、今年の選考ではそういう踏み込んだ、普通の助成金ではあり得ない、応募者同士を出会わせたり、その応募者同士のコラボレーションにも野村が積極的に関わったりするなども、やってみようと思います。

ということで、選考は深みにはまっています。