野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

Full Body & The Voice

Lawrence Batley Theatreを拠点に活動する知的障害者の劇団Full Body & The Voiceとのワークショップ。一昨年ハダスフィールドで出会って、昨年は東京でも公演。2年前には、ハダスフィールドには、ヒューしか知り合いがいなかったのに、そして、今はヒューはハダスフィールドにいないのに、ハダスフィールドには知り合いがいっぱいいる。

一時期は定期的に集まっていなかったフルボディは、現在、毎週月曜日に集まっているらしい。今日も、9:30〜16:00の長い長いワークショップ。P−ブロッの曲を4曲聴いてもらい、そして、メンバーの名前を覚えるべく名前を使ったゲームをしているところから、自然発生的に即興が始まり100分。楽器、動き、言葉、リズム、・・・様々な要素が複雑に共存しながら、シーンがどんどん変わっていく。面白い。

休憩の後、演出家のJon Palmerの提案で、言葉も音楽もなしで、動きだけをやってみることにした。フルボディメンバーから一人、P−ブロッから一人でのデュエット。吉森くんや潤さんが芝居をするのを初めて見た。面白かった。そして、最後には、ルールが破れて、音楽も出てきて終わって、ランチタイム。

昼食後は、今度は演劇をしないで、音楽だけをすることにした。潤さんのリードで、全員パーカッションを持って、ナイアビンギというレゲエのリズムをする。最初は、やっていても、全然ノリも出ないし、楽しくならない。それでも、同じリズムを20分くらい続けていくうちに、グルーブが始まり、気がつくと色んな楽器の音が交じり合って、倍音が出ているのか、誰かのしゃべり声が空耳で聞こえてくるようになった。そして、1時間ほど演奏し続けた後、やはり、ルールが破られて、声が出てきて、ぼくは鍵ハモをやり、吉森くんも鍵ハモをやり、レゲエっぽいけどちょっと違う感じで、マリリンが踊り、そして、1時間ぶりにリズムが止まり、静寂。

そこから、詩の朗読みたいなのが始まって、いつの間にか演劇になっていった。

夜は、マンチェスターに行って、マーティンの歌「Tsunami of Love」に鍵ハモでレコーディング。そのレコーディングスタジオが、すごくいいところだった。言葉では説明しがたい素敵な雰囲気のところ。ワニバレエみたいなクレイジーなレコーディングだった。