野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

桃太郎1〜3場

ジャワ・ガムランによる楽舞劇「桃太郎」の練習。今日は第1場〜第3場をやった。

第1場は、2001年に作った。東京から京都に拠点を移した一年目。「しょうぎ作曲」を何度も行い、そこから生まれてきたアイディアを中心に作ったのが、第1場だ。

第2場は、2002年に作った。第2場は楽器をあまり使わずに、声と身体が奏でる音楽。奈良県に伝わる様々なお田植え神事を下敷きに、インドネシア国立芸大ジョグジャカルタ校の大学院で、中川真さんとぼくで行った作曲の集中講義での学生たちの取り組みをブレンドして作った。

第3場は、2003年に作った。コミカルな演劇の要素をふんだんに盛り込んだシーン。演歌、ロック、チンドン屋、クラシックなど、非インドネシア音楽をガムランに適用させていく。

第4場は、2004年に作った。台詞を排除し、舞踊と即興で繰り広げていく。

第5場は、2005年に作った。5年に渡る創作の旅の帰結点にある音楽と舞踊。

以上のようなテーマを持って、毎年マルガサリとワークショップ形式で、作品を創作してきた。

さて、「桃太郎」は楽譜を使わずに作曲する、という大きなルールがある。だから、年月を経て、少しずつ変容していく。今日は第3場の音楽を、少しずつ修正していった。

あと、第1場の妖精たちの存在をどう扱うか、というあたりを丁寧に話し合いながら、稽古した。