野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

三輪さんレクチャー

作曲家の三輪眞弘さんのレクチャーが、現代音楽の楽譜出版社マザーアースであった。前半は、三輪さん作曲の「無限旋律生成術」の解説。途中でぼくが、イギリスのベルリンギングの話をしたら、方法マシーン関係者がどよめいた。何が起こったのだろう?

三輪さんは、逆シミュレーション音楽という概念を提唱している。2年前に名古屋のギャラリー矢田で三輪さんと対談をした時に、ぼくはイギリスの教会の鐘を鳴らすシステムの話をした。それは、まさに逆シミュレーション音楽だったからだ。非常に数学的であり、一人一人の人間は教会の鐘一つを担当して、例えば、

ドシラソファミレ
シドソラミファレ
シソドミラレファ
ソシミドレラファ
ソミシレドファラ
ミソレシファドラ
ミレソファシラド
レミファソラシド
レファミラソドシ
ファレラミドソシ
・・・・

というように、続いていく。上の例を見て、どういう法則性があるか、分かりました?1番目と2番目、3番目と4番目、5番目と6番目を入れ換えて7番目だけ変わっていないのが2行目、1番目だけ変わっていなくって、2番目と3番目、4番目と5番目、6番目と7番目が入れ替わっているのが、3行目、以下同様です。

で、なんでぼくがイギリスの鐘のことを語るかというと、94年〜95年にイギリスに滞在したときに、ベルリンギングのサークルに入っていて、自転車でヨークから15キロほど離れた郊外まで行って、練習に参加していた。