野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

雑音楽に向けて

雑音楽のコンサートに向けて、楽譜の糊ばりをしたり、曲順を考えたり、プログラムノートを書いたりした。ちなみに、今日書いたプログラムノートより第1部の曲目解説を転載します。ちなみに、第3部のしばさんの解説はなかなか面白いですよ。

第1部 P−ブロッ雑プログラム 

1 「それぞれの植木鉢」(捧げる曲シリーズより) 

03年1月のコンサートの「誰かに捧げる曲シリーズ」で、鈴木潤に捧げる曲として吉森信が作曲。後半に鈴木潤によるバスの独奏がある。ちなみに、このコンサートでは、しばてつはワーグナーに、鈴木潤ボブ・マーリー野村誠メシアン林加奈は犬に捧げる曲を作った。

2 「ファンファーレ」(ユニゾン中心の曲より) 

03年10月のコンサートでは様々な「ユニゾン中心の曲」が発表された。ユニゾンとは、同じメロディーを全員一緒に演奏すること。整然としていないと、少しでも間違えると間違いが目立つ。そんな中、林加奈はたった15秒のファンファーレを作曲。このコンサートにゲスト出演した林光さんが、「指揮した方が面白い」ということで、林加奈のパワフル・エネルギッシュな指揮が付け加わった。

3 「All Blues」(ジャズでないジャズより)

02年5月のコンサートで「ジャズでないジャズ」に取り組んだ。有名なジャズのレパートリーを下敷きに、P−ブロッのメンバーがアレンジをする。マイルス・デイビスのAll Bluesを下敷きに鈴木潤がレゲエ風の曲を書いた。ぼくは原曲を知らなかった。ある日、マイルスのCDを聴いた。全く違う曲だった。


4 「Up To Date ?」(P−ブロッ初ライブより)

96年10月、新宿PIT INNで行われた「ミュージック・マージュ・フェスティバル」のためにP−ブロッを結成した。この時は、江村夏樹、しばてつ、Michael Parsons、大友良英、Taske、脇坂明史、河合拓始、平石博一、野村誠と9人の作曲家がP−ブロッのために新曲を書いた。平石博一さんは、日本のポスト・ミニマルミュージックを代表する作曲家。

5 「ニューシネマパラダイス」(麗しのスクリーンミュージックより)

03年1月、映画音楽を特集したライブで、野村誠が編曲。編曲するためにレンタルビデオ屋で映画を数本借りたが、最初の部分の曲を書き取っただけで、映画は見る時間がなかった。

6 「Overture」(鍵ハモ・ミュージカル「でみこの一生」より)

05年6月、P−ブロッ初の鍵ハモ・ミュージカル「でみこの一生」を初演した。しばてつ原作、吉森信脚本、林加奈主演。テーマ曲のメロディーは吉森信が作曲し、各場面ごとにメンバーが作曲。この序曲は、このミュージカルの中に出てくる曲をコラージュして野村誠が作曲。林加奈は歌って踊って空手をしてと大活躍だったが、この序曲では登場しない。

7 「守ってあげたい」(「ときめきワイド」より)

99年、NHKハイビジョン「ときめきワイド」に1週間出演した時に、番組からのリクエストでユーミンの「守ってあげたい」を演奏した。吉森信の提案したほとんど伴奏なしのアレンジに、テレビを見ている人も驚いたことだろう。