野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

メモリアル

今日は、ある小学校に、ヒューと二人で行った。非常に独創的で、音楽を突き詰めている先生なので、楽しみに行く。音楽療法を勉強する大学院生、音楽教育学の大学教授なども見学に来た。

学校に行くと、校長先生は、あまりコミュニケーションが得意でないのか、ぼくらとほとんど会話を交わさず、授業を見にも来なかった。

その先生の授業に行くと、まず、最初は、担任の先生が来て、オペレッタの歌を子どもたちに歌わせて、その先生はただの伴奏者のように扱われていた。授業中も、かつて、その先生がやったこともないような「ま〜ま〜ま〜ま〜ま〜」と発声練習をしたりしていた。教えたくないことを嫌々教えている感じ。

午後の授業は、ヒューとぼくでやった。自然に始まって、歌を作ったのと、楽器の即興をやった。

で、学校の近くを散歩したりした。

その先生は、外部から講師に来て欲しいなどと、要請があっても、今年度から赴任した校長先生が許可しないので、一切講師に行くことができないらしい。また、校長が全く授業を評価せずに、ダメ教師の烙印を押して、連日、面接をされて、校長の考える指導法を押し付けられ、その先生は、心の病気になってしまうくらい追い詰められたらしい。

で、ぼくは、その人に学校を辞めることを薦めた。フリーの音楽伝道師として、生きていけばいいと思ったから。

昨年は、ぼくの友人の福嶋さんという優れた図工の先生が小学校の教師を辞めた。多分、これから、次々にまっすぐな人が教師を辞めるだろう、と予測される。それで、学校はどうなっちゃうか分からないけど、でも、まず、その人たちが辞めて、その人たちらしい元気に暮らすところが、多分第一歩だと思う。でも、学校はかなりやばいなぁ〜。やばい環境にいて、しんどくなって息苦しい人に、力を与えられるような存在として、ぼくなんかは、いつも楽な状態で生きていなくっちゃ、と思った。

その後は、3人の音楽教師も加わって、楽しい夕食を過ごしたりした。

片岡祐介さんと電話で話した。有能な音楽教師がフリーに転じる話をしたら、喜んでいた。片岡さんも、この前の東京での岡崎香奈さんとの演奏会で手応えを感じたらしく、岐阜から東京に居を移すことに決めたみたいだ。

だから、色んなメモリアル。新しい時代が始まりつつある。