野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

NPO法人「芸術家と子どもたち」の今後


今日はNPO法人芸術家と子どもたち」の理事会があった。このNPOの理事をしているけど、最近は幽霊部員化していて、欠席ばかりしている理事会。久しぶりの参加だ。

2000年から始まった「ASIAS」という小学校にアーティストが行って授業をするプロジェクトが、このNPOのメインの活動だった。もう、始めて4年。どんな成果があって、どんな影響があって、どんな問題があったのか。今後、継続すべきなのか、やめてしまうべきなのか。もっと別の道を探るべきなのか?

今日の理事会に出席した理事には、授業の研究者で千葉大学教育学部の先生藤川大佑さん、東京国際芸術祭などのプロデューサーで東京芸大の先生も始めた市村作知雄さん、慶応大学で実験的な授業をしている熊倉敬聡さんがいて、この人たちで話をすれば、いっぱい面白いアイディアが出てきそうなのだけれども、今日は、みんなそんなに冴えていなかった。つまり、ちょっと慣れてきている、ってことか。ここには、もっとエネルギーが必要だ。

もっと、非日常というか、揺らぎというか、ワクワクする、というか、熱気というか、そういうエネルギーを持てば、このNPOは活気づく。メンバーが面白いからだ。何か具体的で、はっきりした目標を設定した方がいいような気がする。

学校が持っている平等主義、に染まっていくと、だんだん自分の勝手な好みや、勝手な思い込みや、主観的な価値観や、そういうものが重要視されなくなってしまいかねない。

何をすれば、活気づくのか?
何をすれば、ワクワクするのか?

ここで、ぼくらは、好き嫌いを明確に打ち出して、やりたいことが何だったのか?、
今だったら何がやりたいのか?、を考えて、やりたくないこと、やる必要のないことは、やめちゃってもいいと思う。

さてさて、それとは変わって、「火の音楽会」の方は、学生スタッフのメーリングリストが活発で、手作り線香花火のための鉄粉を入手、というところまで、きました。アルミ製聴診器の音をミックスして、PAするための機材の準備もほぼ整う。多分、相当カッコイイ音楽になると思う。燃やすピアノの運搬の件も順調。あとは、火をおこすのを、どうやるか、というあたりが話題になってきた。来週は、火曜日にキャンプファイヤー実験1、水曜日キャンプファイヤー実験2、木曜日は、小学4年生とのミニ「火の音楽会」、金曜日は、キャンプファイヤー実験3(最終手直し)で、土曜日が、「火の音楽会」本番でピアノも燃やす、日曜日はピアノの燃え残りを使って各自で工作。うん。こっちは、活気づいてるなあ、ワクワクしているなあ。

芸術家と子どもたち」でできることは、これくらい本腰を入れたこだわりのワークショップを(数は少なくてもいいから)実践すること。それを丁寧にドキュメントすること。それによって、多くの教育関係者、芸術関係者を刺激していくこと、ではないだろうか?何か可能性を提示するというか、こんな有り様もありますよ、と。フィールドは小学校に限定しなくてもよし。
もう一つは、これまで4年間続けてきて、関わったアーティストからヒアリングして、関わって正直感じた小学校の問題点、子どもについて思ったことなどを何らかの形でまとめて、それを学校に対して提案すること。

理事会の後、ソバ屋さんでご飯食べながら話し、その後、お茶飲みながら話して、家に帰ってからも、考えて、今日の時点での結論は、この辺かな。