野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

CROSS Air 2024熊本リハ/パレスチナポスター展とトーク

明日のコンサートに向けて、ドイツから富田珠里さん(ピアニスト)、関東から大田智美さん(アコーディオン)も熊本に到着。富田さん、大田さん、作曲家の稲森安太己さん(熊本大学准教授)、富田さんのご家族とランチ。このメンバーが熊本で会っていることが奇跡のよう。明日のコンサートでのトークをどうするかなど、打ち合わせ。

 

www.crossair.info

 

熊本大学音楽棟音楽ホールにて、リハーサル。音楽ホールというから、勝手に立派なコンサートホールがあると想像していたが、教育学部の中の小さな音楽棟の中の一室に椅子を60席ほど並べた空間。至近距離で演奏が楽しめるので、観客と演者の距離感も近い。それでも、不思議なもので、最初、アコーディオンの音がすごく通るのに、ピアノの音があまり通らない。ピアノの位置を50cmほど移動させたら、急にピアノの音も通りがよくなった。音響とは、微妙なものだ。

 

自分の作品のリハーサルにも立ち会ったが、稲森作品2曲のリハーサルも聴けた。どちらも魅力的な音楽だった。稲森さんとお会いするのは今日が3度目。昨年、熊本県立劇場でのコンサートの際にお会いし、3月に熊本市現代美術館での野村のワークショップにご参加いただき、それ以来。稲森さんは、教育学部の先生なので、(ご専門の)作曲だけでなく(専門外の)ピアノも教えておられて、昨年就任されて最初にやったことが、ベートーヴェンピアノソナタを全曲練習したとか、来年度にはご自身のピアノリサイタルを行う構想もあるとか、大学での教育活動に誠実に向き合うことが、稲森さん自身の作曲にもきっとフィードバックがあるに違いない。熊本で今後生み出されていく稲森作品にも注目。

 

こうしてリハーサルをしている間に、里村真理さんが勤務する熊本市現代美術館に珠里ちゃんの家族は行ったようで、段ボールで石垣をつくるワークショップに参加。「どちらから」と何気なくの会話に「ドイツ」との答えに、もしや、となり、リハーサル中の我々の家族同士が、こちらでもコラボ。

 

リハーサル後、Tsukimiで開催のパレスチナのポスター展『Visit Palestine』を鑑賞。7月にパレスチナに1ヶ月滞在して戻って来たばかりのJoshuaにも再会。トークイベント『Why Visit Palestine?とパレスチナ連帯』では、Andyさんと斎藤未緒さんのトーク。ネットがなかった時代のメディアとしてのポスターたちは、パレスチナでは空爆などで消失して残っていないが、日本で数多く残っていて、それを東京に住むインドネシア人のAndyさんが集めて、展覧会をやっている。グッズなど販売し収益をガザの人に直接送っている。

 

https://www.instagram.com/kumamoto.palestine/

 

展示&トークで一緒だった里村さんと(里村さんの元同僚で美術家の)脇田あおいさんとバーで遅い晩御飯。3人で色々な問いを言葉にして投げかけあいながら、深夜まで語り合う。