野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

郷路岳でのワークショップ/なか屋でのワークショップ

JACSHA(日本相撲聞芸術作曲家協議会)のKIAC(城崎国際アートセンター)でのコミュニティプログラム3年目9日目。朝7時半にKIACを出発し、志賀玲子館長の車で但東町へ向かう。主に相撲と能について話す。

 

KIACコミュニティプログラム2024「とよおかこども音楽クラブ」×「但東 野あそびくらぶ いつなっと」合同遠足ワークショップ | イベント | アーティスト・イン・レジデンス | 城崎国際アートセンター

 

集合場所に8:30に到着。自己紹介でJACSHA(=鶴見幸代+樅山智子+野村誠)が竹野相撲甚句の替え歌を歌う。参加者全員の自己紹介が終わり、車に分乗して郷路岳の山中へ。

 

「ちゅちゅ」、「きょ」と鳴く鳥。アカゲラのパルスも良いがドラミングはでんでん太鼓のような速いリズム。

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きのこ木琴。木のセッション。すごく正確に拍を刻む子がいる。但東さいさいで弓太鼓をしているらしい。シーソーに乗るように横たわる木にまたがる。自分の身長よりも大きいコントラバスのような大きな枯枝を打ち付けて演奏する子。

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エナガは超高い声。

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サンショウクイは、ピリリピリリ。

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キビタキのツツティー、ツツティーという声

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山頂に移動し、双眼鏡でキセキレイを観察し、20人近くで《ねってい相撲聞》をやって録音してみる。

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午後は、小坂地区にある古民家「なか屋」に移動。90代のおばあちゃん達が、囲炉裏の炭火でお茶を煎ってくれる。その手つきが素晴らしい。お弁当の後、午後の活動を始める前に、外で記念撮影。自然発生的に、子どもたちが郷路岳で拾ってきた枝を演奏。山に音がこだまする。室内に戻り、《鍵盤ハーモニカ・イントロダクション》をやって後、午後の趣旨説明。アカゲラのドラミングを声で真似しようとすると、テーブルを叩く音で上手に真似する子どもたち。テーブルドラミングでアカゲラの音楽をやり、これを発展させて、民家の柱や障子やいろいろなところを奏でる。郷路岳で拾った枝で煎り鍋を鳴らすとお寺の鐘のよう。囲炉裏でかき餅を焼いてくれて、みんなでかき餅を食べる《おかきミュージック》。

 

楽器を色々持ってきたので、楽器もやってみる。せっかくなので但東オリジナルの音楽をやりたい。

 

虫が好き

ヘビはつついて遊ぶのが楽しい

カエルはよく見つけて捕まえる

夜はゲコゲコうるさい

自然が多い

鹿、めっちゃ出てくる

キャー キーキー

 

この情景を楽器で奏でたのが《但東の夜》。これは本当に名曲だった。カエルや虫や鹿の声をイメージして楽器を鳴らしている子どもたち。

 

最後は石臼で豆を挽き、きなこにして、お団子を食べる。90代のおばあちゃんが、突如スイッチが入ったように立ち上がり、石臼を回し始めた。びっくり。その後、子どもたちが石臼に夢中になる。鶴見幸代が三線で弾き語り、即席仕事歌。

 

ワークショップ終了後、いつなっとの西垣由佳子さんにインタビュー。郷路岳の楓の木から抽出したメープルシロップも試食させていただき感動。インタビュー後は、粘菌を顕微鏡で観察。

 

帰りはKIACの橋本麻希さんの車で、振り返りつつ、今年度の記録をどうまとめるかについて、色々話し合いながら城崎に戻り、深夜までJACSHAで宴+話し合い。