野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

都城相撲甚句リサーチ

都城に日帰り相撲リサーチ。新八代駅から宮崎への高速バスがあり、乗ったら1時間半ほどで、都城北に着く。そこからタクシーで、庄内地区公民館へ。早めに着いたので、公民館の書棚で都城市史を読むと、相撲甚句のページがあるので、予習。

 

宮崎県立劇場の工藤さん、児島さん、プロデューサーの小田さん、相撲探求家の一ノ矢さん、打楽器奏者の神田さんと合流。その後、場所が違うことが判明し、庄内町区公民館へ移動。町区相撲甚句踊り保存会の方々と出会う。扇風機が数台まわりまくっていて、壁には賞状や記念写真の額が多数掲げてあり、さいたまの岩槻で古式土俵入りを取材した時の光景にそっくり。JACSHAの鶴見さん、樅山さん、三味線の竹澤さんなどもzoomでリモート参加。

 

女性だけが踊る相撲甚句で、この地区に嫁入りすると、みな相撲甚句踊りをやった。だから60年くらい前から、踊り続けておられる方々なので、コロナで2年間練習もしていなかったと言っても、体が覚えている。堂々とした構えもさすが。歌、三味線、太鼓、拍子木が使用する楽器。昔は、歌は歌で専属だったのが、人員不足で三味線を弾きながら歌っている。竹野相撲甚句のメロディーに似ている。

 

午後は、谷頭相撲甚句踊り保存会の方々。ここでは、MJホールの方々とも再会。こちらも扇風機がいっぱいの公民館で、衣装をつけて待っておられた。踊り手も10人近くいて、歌も二人、太鼓も二人、三味線一人、拍子木一人の大所帯。この地域だけでは人員不足のため、エリアを拡大してメンバーを集めているので、始めてから3年程度の人が多く、午前中が50年の経験者たちの選抜チームとすれば、こちらは経験が浅いが人数が多い楽しい集い。全く違うアプローチなので、それぞれの個性に出会えてよかった。お話の中で、子どもの頃、十五夜の日に綱引きをするために藁で縄を編み、綱引きの後、土俵を作って相撲をした話を伺った。塔本シスコの絵に描かれた光景とそっくりで、感激した。

 

車で15分ほどしか離れていない2地区にある相撲甚句踊りなので、もっと似ているのかと思ったが、音楽も踊りも全然違った。

 

宮崎から都城に嫁入りされたという方は、宮崎では、木花相撲踊りがあったので、相撲甚句は知っていた、とのこと。

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