10時間強熟睡して、休養中。体調回復して、明日からの鳥取遠征に備える。
16人の作曲家へのインタビューをまとめた本、William Duckworth「Talking Music -conversation with John Cage, Philip Glass, Laurie Anderson, and Five Generation of American Experimental Composers」を、読了。オススメの本。作曲家の苦労話も面白い。フィリップ・グラスは、助成金を出しても落ちまくるので、もう応募しないことに決めた、と言っていたり、41歳までは音楽で食えないから、タクシー運転手や引っ越しやら色々な仕事をして暮らしていた、と言う。あの有名な「浜辺のアインシュタイン」が初演した当時も、まだ音楽だけで食えていなかったのか。この本の最後に登場するジョン・ゾーンは、20歳の頃、ぼくが最も影響を受けた作曲家なので、改めてゾーンの音楽について30年ぶりに色々考え直すきっかけになって、自分の原点を見つめ直す経験になった。この本の中で、録音の機械を止めてもらわないと話せないと語っていた彼の極貧生活。レコードを買うお金がないからレコードを万引きしていたという。食べ物は万引きしない。貧しい食生活で残ったお金は全てレコードを買うのにかける。そして、それに加えて、もっとレコードが聴きたくて万引きする。本人の中で筋を通した犯罪の話。それから、ジョン・ゾーンが20代の頃、コンサートをやり続けるけど、観客は毎回2人か3人か4人くらいと言う。そんな状況が何年も続いても創作し発表し続けたことにも、励まされる。ぼくが大学生の時、京都に演奏に来たジョン・ゾーンに声をかけたら、親切に答えてくれて、ニューヨークに来ていろいろやればいい、と言ってくれた。読みながら、ジョン・ゾーンに衝撃を受けた30年前の自分のこと、そして、ジョン・ゾーンに素材として使われないように自分の道を見つけていこうと思った29年前のことのことを、読みながら思い出した。そして、28年前、レコード会社のディレクターから、どんな音楽を聴いているの?と聞かれて、殴り書きにしたメモが、そのままの文章でpou-fouのCDのブックレットに載ってしまった。そして、ぼくの「ジョン・ゾーンには、一目ぐらいは置いています。」なんていう生意気なコメントは、ジョン・ゾーンの影響から離れていかねば、という当時の思いが強かったのだ、と今、思う。ジョン・ゾーンがぼくに与えた影響は決して小さくなく、音楽の可能性について、いっぱい教えてくれたと思う。あの当時は、インターネットもなかったし、いろいろな音源を聴くのに苦労した。ぼくの場合は、万引きなんかできないので、友人の家を訪ねて、いろいろ聞かせてもらった。ということで、以下、pou-fouのCDより。
バッハは大好き。
グレン・グールドのピアノのタッチは好き。
セシル・テイラーは、すばらしいピアニストだ。
デューク・エリントンは、おもしろいと思う。
ラヴェルの「左手の為の協奏曲」は、すばらしい。
パーセルのオペラ「ディドーとエニアス」は名作。
モーツァルトの音楽は、まんがのようで大好き。
14世紀の大作曲家ギョーム・ド・マショーは、一度カヴァーしてみたい作曲家。
ジョン・ケージの初期作品は、少しだけ好き。
スケルトン・クルーは、奇跡的なバンドだ。
PIXIESの最初の方のアルバムは、すごくよい。
ビートルズは、自分達の音楽をしている。大好き。
パブリック・エナミーは、すごい。
能は好き。
ストラヴィンスキーの「結婚」は名曲。
クルト・ヴァイルの「三文オペラ」は好き。
メシアンの、いっちゃってるところが好き。
チャイコフスキーの「くるみ割り人形」は、かわいいメロディー。
フィッシュ・ボーンはいいですね。
高橋悠治は、味のあるピアニストだ。
ヨハン・シュトラウスの「ブン・チャッ・チャ」は、すごくいい。
ジョン・ゾーンには、一目ぐらいは置いています。
ジョアン・ジルベルトのひき語りは、本当に、すばらしい。
ロバート・ワイアットの歌。
プリンスの「パレード」は なかせる
オルフの「カルミナ・ブラーナ」
秋田音頭、スチャダラパー、ドンパン節は、いいです。
いずみたくにも時々、名作。
先代 広沢虎造は すごい!