野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

草加せんべい/さいたまスタジアム2002/さいたまアリーナ(+ボートレース)を作曲

テアトロ・ムジーク・インプロヴィーゾの埼玉レジデンス。8月4日の公演「うつくしいまち」に向けて。本日は、彩の国さいたま芸術劇場にて、音楽ワークショップ。午前中は、やぶくみこさんのリズムで遊ぶワークショップ。小学校低学年の子どもたちが、ボディパーカッションや楽器で、自由にリズムを出して遊ぶもの。子どもたちは、楽器の演奏などで細かくいろいろ工夫していることなどもあるが、見学している人たちみんなに、その辺のことまでは伝わらないのかもしれないなぁ、とか思いつつ、見学する。でも、ぼくが気がつかないことを、別の見学している人が気づいていたりもするのだろうけれども、、、、。

 

午後は、ぼくの鍵盤ハーモニカで作曲するワークショップ。4年生7人が参加。とりあえず、ワークショップが始まるまでの待ち時間に、子どもたちに、現在「うつくしいまち」の公演に向けて、埼玉県リサーチ中なんだけど、と質問し、埼玉県の地図を書いていく。桶川市って初めて知った。戸田市はボートレースで有名なんだとか、草加市草加せんべいが有名だよ、とか、教えてもらう。

 

ワークショップでは、最初に、鍵盤ハーモニカ・イントロダクションを聞いてもらい、その後、まずは、「楽器を吹いてみて」と言うと、みんな緊張しているのか、音を出さないので、とりあえず、みんなで体操をする。屈伸しながら、楽器を吹く。伸脚しながら、楽器を吹く。楽器を吹きながら、走ったりする。そうやって、遊んで緊張がとけていく。

 

その後、各自でドレミを紙に書いて作曲した最初のメロディーが、「草加せんべい」という曲になり、これを合奏。続いて、「さいたまスタジアム2002」という言葉のリズムにのせて、鍵盤ハーモニカを吹いてみる。各自で、そのリズムで別のメロディーをつくる。それを譜面に書いてみて、見学に来ていたフルート奏者の方に、急にお願いして吹いてもらう。

 

最後は、さいたまアリーナとボートレースを合体させた競争の音楽を、子どもたちが作曲。結構、ランダムな面白い音列を、ピアノとフルートでカノンになって演奏。そして、そこに、鍵盤ハーモニカの合奏が競争するイメージで加わる新曲ができる。面白い現代音楽ができた。この曲、またやってみたい。

 

1時間の短いワークショップだったけど、面白い音楽が立ち上がって嬉しかった。その後、劇場でサウンドチェック。

 

宿に戻って、1月のヒューとの記録映像の野村のトークの英訳作業をする。1月のミステリー音楽ワークショップ、面白かった。現代芸術はわかりにくいと批判されることがあるが、推理する余地があるから、想像できて楽しいのが推理小説。わかりやすすぎると、面白くなくなる。だから、現代芸術も謎があっていいんだと思う。ダリオさんの絵も、想像する余地がいっぱいあって、お話は観客が勝手に想像できる。