野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

コーンウォールレジデンシー3日目

ボーンマス交響楽団との3日目。朝目覚めると、コミュニティチームの主任のリサが朝ご飯の準備をしている。7年ぶりの再会。「7年!あなたは7年経っても、見た目の変化があまりないけれども、私は随分年をとったでしょう」とリサ。午前中は、Truro Prep Schoolへ。ここは私立の小学校で、今日のワークショップは、ヴァイオリンやトランペットなど、楽器のレッスンを受けている子ども17人を集めてのもの。子どもたちに試しに一人ずつ自由に吹いて(弾いて)みてと言うと、ある子は恥ずかしそうに演奏した後、「うーん、ただランダムに音を出しただけだけど」と言う。この言い訳が流行った。でも、全然、ランダムでも何でもなく、普通にメロディーだったりするのだが。そこで、Symphony No.3.14159265359‥"Random Reality"を作った。3楽章構成で、1楽章では通常ではない奏法と予測不能な音の並びを追求したデュオの重ね合わせで、チャールズ・アイヴズのような響きになり、2楽章は、17音の音列、3楽章は、17人がピッチもダイナミクスも持続もランダムにする即興音楽で、ジョン・ケージピエール・ブーレーズの音楽を即興で試みているかのような音楽になる。

午後はConstantine Schoolでのワークショップ。昨日の"Telescope music"をウォームアップに、"Boogie Rhythm"という曲が生まれ、ウクレレ/グロッケン/太鼓/パーカッション/ブームワッカーの5グループに分かれて、合奏。最後に残った時間で、「かごめかごめ」の音の翻訳をする。

夜は、Cornwall Concert Orchestraに指揮者のヴィクターが指導し、ヴァイオリン、コントラバスファゴットトロンボーン、打楽器と5人のボーンマス交響楽団の奏者が加わってのリハーサルで、シューベルトベートーヴェンの練習を見学。