野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

楽器の習得について

豊明の名古屋短大にて、講座「音楽ってどうやるの」を開催。約100人ほどの保育士さんたちが対象。鍵盤ハーモニカイントロダクションから始まり、鍵盤ハーモニカの奏法などを解説。その後、教室内にある紙コップやテーブルなども演奏して後、ボディパーカッションの時間(スイッチ)を経て、声の表現の時間を経て、ピアノと仲良くなる講座。ピアノに叫んでみたりして後、受講者のリクエストにこたえるコーナー。動物の鳴き声を楽器でやるとか、効果的な練習のコツ、子どもの指導に関することなど、色々、こたえる。

今日の講座で言ったこと。これは、以前、エンリコが言っていたことを思い出しながら、言った気がします。

「ピアノが弾けなくて、ちょっと練習しても弾けなかったとして、自分に才能がないと思って諦めるのは、早いです。弾けないものは、すぐに弾けるようにならないのは、誰でもそうです。プロでもそうです。弾けないところは練習しますけれども、それでも、すぐにはできるようにならない。仕方がないので、ごまかして弾きます。いくら、そこだけ練習し続けても、すぐには弾けるようにならない。でも、嫌いにならない程度に、練習をしていたら、ある日、弾けるようになることがある。だから、嫌いになるくらい猛特訓して嫌になってやめない。すぐに才能がないと思って諦めない。できないところは、すぐにはできるようにならないと悟った上で、とりあえずごまかして弾くこと」

これは、楽器だけでなく、世の中のこと、社会のこと、全てにあてはまると思っています。ちょっと何かをして、世の中が変わらなかった。無理だ、と思って諦める。それは早過ぎる。急には変わらないです。理想が高くって、嫌になるのではなく、ひとまず、今できている部分を喜び、できない部分は、適当にごまかしながら、すこし改善のために努力する。でも、嫌になるまで努力しすぎたりしない。そうやって続けているうちに、いつの間にか、変化が出たりします。楽器ができるようになることを知ると、生き方も変わる気がします。

その後、東京へ移動。デンマークに住むポーランド人の打楽器奏者/即興演奏家のアルベルトから連絡があり、会いました。野村の作品について、インターネットで色々調べてくれていて、数々の質問を浴びせかけてくれて、ポーランドの現代音楽のことも色々教えてくれました。

その後、あいのてさんの尾引さん、編集者の原島さんと打ち合わせ。