野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ガムラン

ガムランの日。子どもガムランは、一年前の7月16日に、初めての作曲「よいやま」を作っている。あれから1年。再び、祇園祭の季節が来た。子どもたちも1歳大きくなり、懐かしの「よいやま」を演奏する。「よいやま」は簡単なメロディーを合図に演奏を始めて、太鼓の右側を3回叩くのを合図に、各自何かを2回鳴らして終わる、というシンプルな曲。これが原点だった。

続いて「レモーネの本物」をやりたい、と言う。こちらは、1ヶ月前の6月17日に作った曲で、42曲目に登録されている。115で始まり、途中は太鼓に合わせてだんだんゆっくり。最後は5511で終わる。

すると、「レモーネの偽物」を作りたい、と言う。「レモーネの偽物」は「レモーネの本物」の反対や、とスー君。115ではなく、551で始まる。途中は、だんだん遅くではなく、逆にだんだん速くなる。でっかい太鼓を合図に、最後は5511ではなく、1155で終わり。45曲目になった。

「じゃあ、次は『ゴリラザル』」とスー君。「始まりは、135で、高い音がいっぱい」。どうやら高い木にのぼるイメージで、高い音とのことらしい。なるほど。「太鼓の人は大きい音」これは、ゴリラのイメージらしい。「終わりは5511」とムク君。あれ、それ「レモーネの本物」と同じだけど、と確認すると、これで良いとのこと。演奏すると、途中からゴリラの顔を真似して、最後はゴリラのドラミングの真似をしていた。かわいい。これが、46曲目。

台風が近づいていると、あきやんと世間話をしていることをきっかけに、47曲目の「台風あっちいけ」ができた。「最初は113」で始めると、スー君。ぼくが113−と演奏すると、「たいふうって聞こえる」とムク君。これを2回やったら太鼓の小さい方だけをやって、終わりは大きいモーションでドンと鳴らして、最後に低い音を2回鳴らして終わる、とスー君。ディレクションが細かくなってくる。

これが終わると、子どもたちは「たいふう、たいふう、あっちいけ、それそれそれそれ、あっちいけ」と言いながら、盆踊りのように踊りだす。こうして、48曲目の「台風あっちいけ音頭」ができる。まずは、太鼓の右側だけから始まり、子どもたちが踊り始めたら、鍵盤楽器が開始。最後は太鼓に戻って終わる。ABAという構成だ。これも、全部、スー君が決めた。

すると、ムク君が幼稚園で習った「キャンプだほい」を歌って踊ってくれる。49曲目の作曲は、「キャンプだほい」になった。今日は、115とか113が登場するのだが、この曲は、終始115。それに合わせて「キャンプだほい」を歌う。もうすぐ子どもは夏休み。

50曲目の「おさるやま」を作り始める。「山にのぼっているイメージで、123561と順番に叩く」とスー君。ここで兄弟喧嘩が始まったので、今日はここで終わることに。

1年で50曲も作ってしまった。子どもたちに委ねることで、作曲の仕方が少しずつ成長してくるのが、本当に面白い。1年後には、どうなっているのだろう?

大人ガムランの時間は、今日もまったりと即興をしました。