焦ったりせず、ちょっと休むこと。無理しないこと。のんびりすること。マイペースでいること。そうしたことが、どうも難しい。
こちらが意識的にそうしようとしていても、〆切だったり、急に頼まれたり、いつの間にか急かされている。
今の日本政府が、危機感を煽るような速さで暴走している、と感じることも大きな要因かもしれない。大阪のアート関係者は、大阪市長が文化政策を競争原理で押し進めようとしていることに、少なからず影響を受けて焦っていることもあるだろう。
それが意識できているうちは、まだ良いけれども、慢性的に続いていくと、本来マイペースでのんびりしていた人々までも、ペースを乱す。乱されるのが嫌な人々が、暴走する速度に抗おうとすることさえも、気がつくと同じようなスピードに巻き込まれる。焦燥感だけが高まり成果があがらないだけでなく、精神的にも、肉体的にも、金銭的にも、疲弊していく。
そして、先送りしようよ、ちょっと時間をかけよう、と言い出しにくくなる。ぼくでさえ、言いにくい。言いにくいけれども、言葉を選んで、何とかマイペースを守ろうとする。言いにくい人は、鬱病になったりして、何とか身体で表現する。そうした声に耳を傾けられる余裕があればいいけれど、それでも無理して頑張ったりする。
一度、勇気を持って、のんびりすること。休むこと。無理をしないこと。自分のペースを守って、ゆっくり大切にものを作っていくこと。それも、ぼくたちに必要なことだと思うし、前向きなことだと思う。
