野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

浦浜念仏剣舞

朝6時に起きて、7時に出発。7時55分に京都駅でダンサーの砂連尾さんと待ち合わせて、8時5分の新幹線(のぞみ)に乗る。東京駅で、東北新幹線に乗り換え、10時40分発はやぶさで12時過ぎに、一ノ関へ。岩手県は、断然寒い。雪が降っている。ここで、大船渡線(のどかなローカル線)に乗り換える。景色がイギリスに近いなぁ(薄暗さや木の感じなど)。14時頃に気仙沼着。ここから、BRT(バス)に乗り換えて、途中、明らかに津波の被害で更地になったり、土が盛り上げられている場所、さらにはベルトコンベアで土を運んでいる異様な光景なども目の当たりにしながら、15時頃に、高田病院着。JCDN(ジャパン・コンテンポラリー・ダンス・ネットワーク)の北本さんが迎えに来てくれ、車で宿舎へ。これは、JCDNが昨年度から行っている「習いに行くぜ」という企画の一環であることは、何となく聞かされていたが、ほとんど説明のないまま、あいている日ありますか?来て下さい、で来ちゃったのです。我が親友でありインドネシアのダンサー/振付家のミロト・マルティヌスが来るとなれば、来るしかありません。一軒家の前に車が着き、家の中に入る。ダンサーのミロトと再会。ミロトはインドネシアを代表するコンテンポラリーダンサー。つい最近、インドネシア国立芸大ジョグジャ校で、博士号を取得。博士号をとった最終試験の発表の映像を見せてくれて、さらには博士論文を見せてくれる(インドネシア語ですが、、、)。それにしても、東南アジアの人が12月の岩手に滞在制作とは、根性がある。ミロトも風邪で、マスクとのど飴。ぼくもマスクとのど飴。ミロトが「マスク(=仮面)のダンスやろう』と冗談半分/本気半分に言う。仙台からダンサーの磯島さんとそのご家族も合流していて、賑やか。その後、この辺りを案内してもらい、撮影候補地やリハーサル会場の下見などをして後、そして、芸能に詳しい前川さんという人などにも会い、今後の方針について語り合う。ミロトが先週習っていた地元の芸能「浦浜念仏剣舞」を学び、そこから作品を創り上げるためのリサーチとして、今年を位置づけること。地元の人々とどのように関係を構築するか?ミロトはインドネシアでの震災の直後、自分の創作意欲がシャットダウンし、被災したアーティストたちと作品を創った自身の経験を語りながら、被災地と創作について熱く語る。