野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ドキュメンタリー・オペラ「復興タンゴ」(老人ホームREMIX #2) 

来年2月に、横浜のSTスポットで野村誠の新作公演、ドキュメンタリー・オペラ「復興」(仮称)を行います。この作品は、「老人ホームREMIX #2」で、昨年発表した「老人ホーム・REMIX #1」の続編です。



#1では、映像(上田謙太郎)+ピアノ(野村誠)で行いましたが、#2は、それにダンス(砂連尾理)と写真(杉本文)が加わります。

本日は、そのための撮影。お年寄りに、戦後の復興についてお尋ねし、色々語っていただきました。戦後の復興から、東日本大震災からの復興のヒントを得たいという気持ちもあります。

お話を伺って印象的だったのが、戦争が終わって、「ほっとした」というコメント。現在の日本は、この終戦の時点の「ほっとした」状況ではない、ということを再確認しました。

女性陣のコメント「アメリカ人はやさしかった」です。戦後すぐに、進駐軍アメリカ人たちから、当時20代だったお年寄り達は、随分、親切にされたようなのです。キリスト教の慈悲の精神、レデイーファーストの精神。敵国だったアメリカ人と、素直に出会えている感覚。「汝の敵を愛せよ」という言葉。そして、タンゴやワルツを大柄な黒人と踊った記憶。敗戦で全てを失ったけれど、愛は失っていなかったのですね。

その後、お年寄りたちの鍵盤ハーモニカ演奏、ベルの演奏なども撮影させていただき、新作のための撮影取材は、今回で終了。いよいよ作品づくりが始まります。

ドキュメンタリー映画の要素もあり、コンサートの要素もあり、舞台作品の要素もあるドキュメンタリー・オペラ。「復興」というテーマを、映像、言葉、音楽、ダンス、写真で、浮き彫りにしていきます。

老人ホームに音楽がひびく?作曲家になったお年寄り

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