野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

帰国一ヶ月のまとめ

帰国して1ヶ月経ちました。色々な人に会い、情報を収集しまして、少しずつ現状を把握中です。他の情報もあると思うので、ぼくの情報をここに挙げてみます。他の情報があれば、是非、教えて下さい。

-

  • 多かれ少なかれ、みんなが被爆し続ける日々らしい。
  • 被爆を最小限に留める方法としては、外出時のマスク着用、こまめの水浴び、室内の掃除、野菜をしっかり洗う、などがあるらしく、そうした生活習慣が身につく。
  • マスク着用者は非常に少ない。かわいくお洒落なマスクを作って販売するようなビジネスは、今のところなさそう。マスクがお洒落になって流行れば、お洒落しつつ被爆を減らせるのに。誰か、アートなマスクを作ってくれないかなぁ。こういうところこそ、アートの出番。
  • BankARTの方々が、新港村で、太陽光発電などを中心に電気を作って展覧会やイベントを開催中。太陽光などで、かなり賄えるらしい。9月3日には、13年間エネルギーの自給自足をしていた人のお話を伺いに行きます。どうやら、電気は自分で作れる時代が来ていて、脱原発のてっとり早い方法は、みんなで自家発電にきりかえること。
  • 太陽光の発電でPAすると、明らかに音が良いそうです。
  • ひとまず、ぼくの方はゆっくりですが、原発のなくなる日のための音楽プロジェクトを準備中。
  • 東京で外を出歩いている時に、マスクをしないと、原因不明の舌がピリピリする症状あり。
  • 京都でも一度、雨が降った直後にマスクをせずに出かけた時、この舌のピリピリがあり。その後は雨の直後の外出を控えるようにしています。
  • ドイツから一時帰国の友人も、東京で同じ症状があったらしい。
  • 東京でマスクをしないと嘔吐をもよおす、との報告もあり。しかし、何にも感じないという人もいる。
  • 大学の授業中に気持ち悪くなり頻繁にトイレに行く、という現象が起こっているらしい。
  • 京都は外国人観光客が激減(一説には75%減)らしく、放射能による観光産業の打撃は相当。
  • 子どもは特に被爆の被害を受けやすいらしく、関西の友人は転居すべきかどうか悩んでいたりする。
  • 東京の友人によれば、出口の見えない緊張感が持続しているので、対応が二つに分かれたらしい。つまり、緊張しなくて良い土地に移住するか、放射能を気にせず、3・11以前と同様に生きる。
  • 被災地を応援しようと言って、被爆する恐れのある食品を売ったり食べさせることもあるらしい。エイズに感染した人を差別しないということは、エイズに感染した人とコンドームを装着せずにセックスすることではない。
  • 東日本大震災」という名前の通り、東北のみならず、関東も被災地のはずなのだが(大きな地震があり、建物も壊れ、放射能の被害も大きいし、精神的なダメージも相当)、被災地という言葉は、東北限定で使われることが多いため、関東地方に対する支援が、ほとんど行われていない。特に精神的な支援はかなり重要な気がする。
  • 海外在住の人が一時帰国すると、一見、以前と同じように過ごしている日常に驚く人がほとんどのようだ(ぼくが知る限りは皆、同様の反応だった)。海外メディアでの報道などに触れている人と、日本のメディアの報道に触れている人で、どうやら認識が違うらしい。
  • 少なからず現状を変えていこうという人がいることは希望。
  • 色々な国の人、色々な土地の人と情報共有をしていった方がよさそう。
  • 友人によれば、関東のスーパーの多くは、東北や北関東の食材が大半を占め、怖くて食べられないと感じているらしい。親戚から野菜を送ってもらったりしているらしい。
  • マスメディアがあてにならないので、個人個人が独自の情報収集をしているようだ。会う人ごとに認識が違い、意見も違い、かなり個人差あり。
  • インドネシア、タイは、現在、原発はない。タイは2020年に5基つくる計画だったらしいが、福島の事故を受けて2023年に延期らしい。インドネシア原発をつくる計画はあるが、今のところ実現に到っていないらしい。アジアの国々に同じ過ちをさせないように、今後、被爆国として訴えていく責任あり。
  • (仕事などを辞めて)移住する人などに対して、意外にもバッシングがあったりしたらしく、精神的に傷ついたらしい。人それぞれ違った考え方があるのを認めながら、大変な時期を助け合いながら乗り切る方向性を探りたい。


と、こんな情報が飛び交っている激動の時代を生きられることに感謝し、情報に振り回されずにサバイバルを楽しみ、今までの常識を全部リセットして、自分の生き方をつくっていきたいです。いやぁーー、大変ですねーー。「大変」って、「大きく変わる」と書くんですねーーー。元のままでは、もう無理ですし、どうせ大きく変わるのですから、どうせ変わるなら、良い方向に大きく変わりたいです。