野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ジョグジャの作曲家Hadi Susanto

ジョグジャの芸大大学院で作曲を教えているHadi Susantoが訪ねて来た。ハディは、実は、ぼくの生徒だった人だ。中川真さんとぼくで、2002年に芸大大学院で1週間の集中講義をした。当時、ハディは既に芸大の先生だったが、芸大が大学院のコースを作ったばかりで、教授陣が誰も修士を持っていなかったので、外国人を客員教授にしていた。当時の大学院生は、大学の教授陣ばかりで、集中講義で修士を取得したハディは、翌年から、大学院の先生になったらしい。あの時の集中講義では、中川真さんは、サウンドマップ作成やサウンドアートについてのレクチャー、奈良県のお田植え神事を題材にしたパフォーマンス作成の課題などを出した。一方、ぼくは自作のピアノ協奏曲を紹介/解説し、しょうぎ作曲のワークショップをやり、さらには鍵盤ハーモニカの3重奏の作曲の課題を出した。図形楽譜から、民俗音楽風、12音技法まで、様々な作風の作品が提出され、最後には鍵盤ハーモニカトリオのコンサートを開催した。ハディと会うのはそれ以来9年ぶりだ。

ハディは、民族楽器Dambus(アラブ風のギター)のオーケストラ+ヴァイオリンやチェロなどの西洋楽器のストリングセクション+フレームドラムという編成の新作を作曲し、バンカ島で発表するらしい。ジョグジャから行く場合は、ジャカルタまだ飛行機で行って、ジャカルタから飛行機で50分らしい。バンカ島はスマトラ島の東にある島で、「地球の歩き方」で探してみたところ、一行も記述がなかった。観光には誰も行かないところなのだろう。ハディによると、海岸の美しさときたら、バリ島など比ではない、らしい。モスクと教会が隣り合わせているところがあり、色々な島から移り住んできた人が共存しているらしい。

バンカ島の楽器については、
http://ksupointer.com/2010/musik-dambus-khas-bangka

日本からPーブロッの吉森信くんが遊びに来たいと言っているので、ジョグジャのジャズの店を探している。この国には、ジャズはあまり普及していないだろうけど、ハディに一軒教わったので、今度行ってみようと思う。