野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

団地のアート

「取手アートプロジェクト」の招きで、取手に来て、トークをしました。4年前に呼ばれて、取手には、何度も長期滞在しましたが、それ以来4年間、ご無沙汰していました。いやぁ、懐かしい。

4年ぶりに、プロジェクトを開始します。

野村誠+17組のアーティスト《あーだ、こーだ、けーだ》による新プロジェクト。

今日のトークの最後の結論は

1)井野団地のためのアートプロジェクトをやる
2)団地のある特定の人(例えば、山田さん家族)をターゲットにしたアートプロジェクトをやる
3)そうしたローカルな場所や個人に特化したプロジェクトが、取手市全体や、さらには、日本の各地や世界と、どうつながっていくか!ローカルをとことんやれば、グローバルに辿りつけるはずだ

取手アートプロジェクトの事務局は、井野団地の中にある。もちろん、これまでも、色々、地元の人と交流をしてきていると思います。それなりに、がんばって来たと思うのです。でも、本日のトークに、どれだけ団地の住民が来ていたか、と言えば、非常に少なかった。だから、ここに、地元の団地の人が集まる、そういう場を目指したい、とぼくは思った。せっかく、取手の井野団地でトークするならば、井野団地の住民達も交えて、話したい。

取手アートプロジェクトは、取手市の予算でもあるので、市全体に還元されるべきものです。だから、一ケ所だけ集中してやると、税金が一部の人に享受されている、なんて苦情も出るかもしれない。しかし、みんなのためにやるものは、誰のためにもならないです。だから、「みんなのため」と言うのを、やめてみましょう。

もっと、具体的に、井野団地の〜〜棟の〜〜〜さんのためのアートを考えようよ。そして、そうやって考えた非常にローカルかつプライベートなプロジェクトは、きっと団地の他の人にも、取手市民にも、さらには、日本の各地や世界の各地でも、支持を得る可能性を秘めていると思うのです。

だから、とことんローカルにこだわって、ローカルを深めればこそ、グローバルにいける。そんなプロジェクトをやりたい。世界中でハンバーガーが食べれるようなことが、グローバリゼーションなら、そんなグローバリゼーション、ぼくは要らない。でも、井野団地で生まれた非常にローカルなアートを、世界のあちこちと結びつけていくことができれば、それは素敵だと思うし、それこそアートの役割だと思うのです。

http://www.toride-ap.gr.jp/