野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ヒューと黒崎さんと新年会

門仲天井ホール支配人の黒崎八重子さん宅で、新年会を兼ねて、1月8、9日のコンサートの打ち合わせ。ヒューと二人で訪ねる。いろいろ黒崎さんの思いや質問をヒューにぶつける。

P−ブロッ吉森信くんが合流。ヒューのCDを聴きながら、どの曲を共演するか、どんなことができるかを相談。吉森くんとヒューでデュオを1曲やろうという話が浮上。吉森くんはヒューのCDを聴いた上で、どの曲をやるのか、それとも即興にするのか可能性を熟考。

それから、ヒューがP−ブロッのために書いた新曲「Breathing」(鍵ハモ4重奏)も1月9日に初演することになるでしょう。これが、なかなか美しい曲です。

それから、ヒューが彼のコミュニティバンドでやっていた「Rules」という曲も今度の練習で試してみることに。これは、各演奏者が、他の演奏者のためにルールを紙に書き、お互いにそれを交換して、それで演奏してみる、というもの。

名前からメロディーを作る、という方法での演奏も、やってみることになりそう。アルファベットのABCDEFGは、ラシドレミファソですが、その後のHIJKLMNもOPQRSTUもラシドレミファソに対応させて、VWXYZもラシドレミに対応させて、メロディーを作る。今日は、吉森信という名前からメロディーを作ってみたが、面白い。ヒューは、Creatollectingという造語を考えていて、名前のメロディーはCreationしているようだけど、既に存在しているものをCollectionしているだけとも言えるので、Creatollectingという考えに辿り着いたようだ。これは、Keyboard Choreography Collecitionというプロジェクト名を考えた時から発展したことかもしれない。

その他、ヒューのアナブレプシスや、マイケル・パーソンズの「Rhythmic Canon」などもやってみようと浮上している。今朝、ヒューと林加奈さんとで、「Rhythmic Canon」の練習をしたらしい。

ヒューは、1月9日のコンサートに向けて、「たけやぶやけた」という回文で新しい歌を作ると、考え始めていた。このコンサートで、この歌が発表されることになりそうだ。

コンサート当日は、ヒューのCDを3種類、販売しようと計画中。最初、1枚2500円で売ろうと考えたが、興味を持った人には是非買って帰ってもらって聴いて欲しいし、円高還元プライスで、2000円にしようとか、1500円に設定すれば、一人で2枚とか3枚を買えたりもするから、1500円にしようよ、とか、、、、協議中。とにかく、特価で販売する予定です。

それから、吉野さつきさんも来て、1月8日のパフォーマンス&トークセッションの話も、しました。ヒューという個性が、東京の非常に優れたダンサー(遠田誠)、俳優(倉品淳子)と遭遇して、どんな相互作用が起こるか、という期待もとても大きいですし、吉野さつきさんに足つぼマッサージをしながら痛みに耐えてヒューとトークが可能か、というリハーサルも少ししてみました。当日のトークは普通のトークにするのか、マッサージをしながらするのか、それは、当日のお楽しみですが、本日も痛みに耐えながら、必死に語る言葉の説得力には、迫力を感じました。

1月8日、9日の公演では、いかにヒューと東京のアートシーンが交差したり相互作用が起こったりする場が作れるか、ということが、大きな目標です。そして、この日、この場所にいて良かった、この瞬間を目撃できて良かった、という事件がちゃんと起こるために、今、一つずつ丁寧に準備をしているところです。それは、練習するとか作品を練り上げるという準備とは違った方向に向いていて、お互いの興味や関心を、どうやって影響させたり、刺激したり、何かにスイッチが入ったりするように仕掛けていくか、というような準備です。そういう意味で、今日、こうやって話ができたり、ご飯が食べられたことが、大きな大きな一歩になったなぁ、と感じています。

ということで、休暇のヒューは今日まで。明日からは、仕事のヒューが始まります。仕事だけど遊びのような楽しい仕事が始まります。