野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ホエールトーン・オペラ体験ワークショップ@愛知芸術文化センター

今日と明日、2日間に渡って、ホエールトーン・オペラ体験ワークショップです。小学生とその親対象ということで、定員30人のところ、80人くらい応募があって、激戦の抽選の末に選ばれた方々が参加。

アシスタントは、ガムラン楽家の佐々木宏実さんに。

ということで、ホエールトーン・オペラの第1幕の曲を、1曲目から順に体験していこうということに。

まずは、1曲目の寒い
ヴァイオリンの少年の合図で始まり、「かお」という合図で、みんなが楽器を顔の前に持って来て止まる。この合図が生まれた理由は、恥ずかしそうにして、楽器で顔を隠した女の子がいたから。

「寒い」の演奏はとてもよかったが、30人で演奏すると、色んな楽器の音が多すぎて各自のニュアンスも聞き取りにくい。そこで、3グループに分けてやってみました。これが、味わい深かった。

2曲目は、寒いのイヤ
まずは、ホエールトーン・オペラのCDで、えずこでの全幕上演の演奏を聴いてもらう。楽譜には、この曲をやってもいいし、これとは別の歌を作ってもいいと書いてある。ただし、「寒いのイヤ」のメロディーだけは使わなければいけない、と書いてある(って、自分で書いたんですが・・・)。そこで、「寒いのイヤ」で連想する言葉を色々言ってもらった。そして、それを歌詞にまとめた。こんな歌ができた。



さくさくと 雪がつもる
雪だるま 歩いてきた
雪の結晶が トゲトゲになって 降ってきた
かまくらに コタツ入れたら どうなるかな
寒いのイヤ



外に出たら 霜焼け
北風が 吹いてきた
マンモスが 餃子になって やってきた
雪合戦で マンモス攻撃 びっくりしゅー
寒いのイヤ




流氷を 壊す砕氷船
ガーリック号に乗ろう
吹雪だ 吹雪だ キャー助けて
あられの方が こわいと思うけど どうですか
寒いのイヤ




これを、ペロッグ音階でサロンを弾きながら、一人一節ずつメロディーを作ったら、なんとも渋いメロディーになった。かなりいい歌です。味わい深い。

3曲目をやる前に、ちょっと楽器で遊びました。楽器の伝言ゲームみたいなやつ。7〜8年前に京都の法然院でやった全国学生邦楽フェスティバルで、箏と三味線と尺八で100人くらいでやったのと同じ方法で。方法は同じでも楽器が違うから、全然違う味わいだ。

そして、3曲目はバナナの木
2曲目を作るので、随分時間がかかったので、これは、あっさりオリジナルを歌った。

4曲目は、どうやって実がなるの
これは、みんなで声を出す曲です。

5曲目は、バナナケーキレシピ
みんなで、架空のバナナケーキのレシピを考えて、レシピを唱えてリズムにする曲。
唱えながら、みんながガムランのボナンという楽器をやって、交代でソリストがサロンを演奏するというルールで、盛り上がりました。

3時間で5曲しかできませんでした。1曲1曲が、じっくり味わえて面白いです。ホエールトーン・オペラを子どもたちとやるのも面白いし、ガムランの楽器を使うのも面白い。この作品の色んな可能性が見えてきます。1年生から6年生までの子どもたち+親。なかなか色んな個性もあって、楽しい。あと1日で終わっちゃうのが、もったいないなぁ。アシスタントの佐々木さんとは、こうやって仕事をするのは初めてでしたが、なかなかの名アシスタントでした。

明日、3月2日も3時間ワークショップがあり、最後の1時間は公開ワークショップになっています。15:00〜16:00。見たい人は、是非、どうぞ。明日、1幕の終わりまで、たどりつけるでしょうか。明日はさらに楽しくなりそうです。