野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

いよいよ野村ID

P−ブロッの6月17日のコンサートは、「野村IDを惑わせろ」という企画で、P−ブロッメンバーが、野村誠にさせたい企画、野村誠の普段見られない一面を引き出す企画、野村誠を困らせたりと惑わせたりする企画を持ち込んでくる。いよいよ明日の練習で、それが発表されるので、内容によっては、その後の2週間がハードな2週間になる。一応、その後の2週間は、予定をあまり入れずに、時間をとってあるのだけれど、何が出てくるか楽しみ。

ちなみに、「野村ID」とは、もともと野球の監督の野村克也が、データを重視して頭を使った野球をすることをImportant Dataとして、略してID野球と呼ばれている。

ちなみに、ぼく自身は野球の監督はしたことがないけど、高校生の時に、町内の子ども会の小学生のソフトボール大会の監督をしたことがあった(当時、小学校時代からの友人も、別の町内で高校生で監督をしていたりした)。今考えたら、あり得ないですね。大人が誰もついてなかったりしたので、事故とか起きたら、責任問題になっちゃいますねぇ。

最初の練習に行ったら、メンバーが9人くらいしかいなかった。これ以上メンバーが増えると、試合に出られなくなるかもしれないと思うと、補欠かレギュラーかすれすれの実力だと思っている子は、友達を誘いたくないだろう。そこで、メンバーが増えたら、練習では毎回紅白試合をする。増えなかったら、毎回練習だけにする。だから、ほかの友達を誘って来てよ、と頼んだら、みんな練習はしたくないけど、紅白試合はしたいみたいで、次の練習には18人近いメンバーがそろった。

練習は、中学1年のOBの子をコーチ役に任命して、レギュラーのノックとかやってもらったら、すごい熱心にやってくれた。それに、中1の言うことって、大人に言われるより小学生にとっては怖いから、みんな真剣に練習するのね。

だから、ぼくは低学年の補欠組を連れて、少し離れたところで練習。下手な人ほど一人での練習の仕方が分からないし、丁寧に教えてもらえたりほめてもらえると上達する。だから、ぼくは低学年ばっかりを練習した。

それで、紅白戦には、中学生のコーチ役の子も、ぼくも参加した。こうなると、コーチ役の中学生も楽しいから、毎回来てくれるようになった。紅白試合では、意外に低学年の子どもも活躍し、どんどんうまくなる。こうやって、みんなが試合経験を積んだので、大会にはこの子たち全員が出られるように考えた。でも、勝たないと子どもたちが納得してくれない。だから、いろいろせこい作戦を考えた。

子どもの大会なんだから、みんな呑気に遊べばいいじゃないか、と思うけど、子どもたちが勝ちたくて一生懸命だったので、ぼくも色々せこい作戦を使って勝ちにいった。今、考えてもせこいし大人げないけど、まあ、高校生も子どもです。

1 絶対見破られないサイン 
サインは普通監督が出す。で、ぼくはダミーで色々サインを出しているふりをするのだけど、実際のサインは、ぼくの隣に座っている小学1年生の子どもが帽子で遊んでいたらバント、というものだった。このサイン、絶対に見破られないし、サインを見ている時に、子どもたちがぼくのダミーのサインを見て、かならず笑顔になるので、バントもリラックスして成功するのだった。

2 送りバントは三塁前に
これが、かなりインチキな作戦。ランナー一塁での送りバントは、一塁前にするのが原則と本にも書いてある。普通はそうなんですね。でも、ぼくらの作戦は、ランナー一塁で三塁前に送りバントをする。そうすると、三塁手が前に出てきて、一塁でアウトになる。その時、三塁手は前に出てきているから、三塁ベースはがら空きになる(ショートは二塁のベースカバーに入っている)。そこで、一塁ランナーはそのまま三塁に走る。これで、ランナー三塁進塁は確定。さらに、「サード、サード」と大声を張り上げれば、相手の一塁手も慌てて、三塁に投げる。三塁手は慌てて戻るが、ほぼ100%悪送球になって、そのままホームインで1点とれる。

3 敬遠じゃない敬遠と野次
各チームの4番バッターは、野球部だったりして、ホームランを間違いなく打つって感じだったりする。だから、極端に言えば敬遠したいところなのだけど、敬遠するのは投げてるピッチャーのプライドにも関わるので、敬遠はさせられない。そこで、とにかく、全力投球以外を禁止、というサインを作った。普段は8割の力で投げているから、コントロールできるけど、全力投球をすると、まぐれじゃないとストライクが入らない。だから、これ実質上の敬遠です。満塁でもフォアボールになっちゃっていいのです。でも、せっかくなので、「ピッチャー速いからバッターびびっているよ」とチームみんなで野次る。野次られると、バッターはプライドがあるから、フォアボールじゃ癪にさわるので、ボール球を振りにくる。そうすると、とんでもないワンバウンドの球を振ったりして三振してくれるのです。

子どもとのワークショップのアイディアのもとは、結構、この時に育んだかも。子どもたちがやるナンセンスなこととか、面白くって、ついつい遊んじゃったし、そのうち練習の日じゃなくても、ぼくの家に小学生が遊びに来るようになった。だから、ぼくの高校時代は、ずっと小学生と遊んでいたなぁ。

ということで、6月17日のP−ブロッ、皆さん来て下さいね。

鍵盤ハーモニカ・オーケストラ「P−ブロッ」によるライブ「野村IDを惑わせろ」のライブの詳細です。

14:30開場
15:00開演
前売2000円(中学生以下1000円)
当日2500円(中学生以下1500円)
出演は、P−ブロッ(野村誠林加奈、しばてつ、吉森信鈴木潤で、全員鍵盤ハーモニカ)
会場は、門仲天井ホール 
http://www5f.biglobe.ne.jp/~monten/index.html


今回は、P−ブロッのメンバーが、野村誠の新しい一面を発見する企画を考えていて、野村誠が色んなことをさせられます。蝶ネクタイをして、スーツでピアノを演奏する企画もあるようなので、初公開の蝶ネクタイ、スーツ姿も登場します。2度と見られない可能性大なので、ぜひ、どうぞ。

平石博一作曲の「この風は新たな光を放つだろう」を、5年ぶりに再演したり、しばてつの「5chサラウンド・ハイドン変奏曲」、野村誠の「あたまがトンビ」などの曲も演奏される予定です。

「野村IDを惑わせろ!」
 今年で結成11年、昨年末にはイギリスツアーも敢行したP−ブロッ。
 今回のライブでは、あの楽天の名将、野村監督にも匹敵するIDで音楽界をかき回す、P−ブロッのノムさんこと野村誠に徹底的にスポットを当ててみます。
 P−ブロッのメンバーが、そのリーダーである野村誠に、さまざまなリクエストをする、というこの新企画、ある人は、野村の為に難曲を創り、まらある人は・・・
 さて、どんなリクエストが飛び出すか?野村のIDは、その要求にどんなふうに応えるのか?
 みなさま、どうぞお楽しみに。


ぜひ、お越しください。