野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ワニバレエプロジェクト4日目

平盛小学校でのワニバレエワークショップ。
今日は、P−ブロッ3人での鍵ハモライブを最初にやりました。レゲエのアンサーという曲のリズムでつないで、「笑点」〜「UFO」〜「犬が行く」の3曲。まずは、聴いていただきました。続いて、昨日考えた48枚の絵に一文ずつつけた台本を紙芝居を上演しながら発表。これは、昨日Y君がシャッフルして考えた順番に合わせて、昨夜考えてきたものだ。

台本を発表したところ、Y君が「ぼくもっといい順番を思いついた」と言います。昨日、もうこの順番でいいよね、と念を押した上で、その順番に合わせて台本と楽曲リストも決めて、残りのワークショップの進め方も考えてきたので、ここで、これを帳消しにされるのは、実はかなり困る。「もっといい順番思いついた」って、48枚の絵を見て、いきなり、そんな順番が思いつくとは思えない。

でも、ぼくは、子どもたちにドンドン提案してください、面白いと思うことは、とにかくやってみましょう、という立場で接しているので、ここで、彼の提案を却下したら、ダメだと思いました。それに、昨日あんなに考えて準備してきたことが、全部帳消しになったとしても、それよりも面白いことに踏み込めるならば、それに踏み込みたい、という気持ちもあった。そこで、試しにやってみることに。

これに対して、別の子どもからのブーイングもあった。せっかくいい感じで考えてきてくれたのに、なんでワザワザそんなことをしなければいけないのか、という。これで、入れ替えた順番の紙芝居を、ぼくと加奈ちゃんと潤さんで即興で読んで、退屈だったら、Y君は周りから冷たい視線をもっと浴びてしまうだろう。だから、ぼくたち3人は、このデタラメ絵画の羅列を見ながら、即興で面白いお話を語っていかなければならない。かなり頑張って、無理矢理だけど、まずまず面白く読むことができた。この時間は、Y君のおかげで、ぼくたち3人にとっては鍛えられた時間だった、と思う。

子どもたちは、それでも、昨晩考えてきた方を採用にしようと言ってきた。Y君は、両方とも面白いと言った。作品をまとめていくだけでなく、いつまでも即興で新しく作ってみたり、探してみたりする活動を続けたいよ、とY君のメッセージを解釈した。それは、老人ホーム「さくら苑」での共同作曲が完成しないことと似ている、と昨日加奈ちゃんが言っていた。

そして、ボディ・パーカッションと声とリコーダーを使ったしょうぎ作曲を試みた。しょうぎ作曲の説明が不足しているのと、こだわって作りたい子がいて、なかなか決まらないので、途中で方針を変更して、グループ別に別々のものを作った。作品を完成させていくには、こだわって作らずに、どんどん作っていかなければいけない。でも、こだわって作りたい、というのは、本気なわけで、とてもいいことだ。

あいのてのエンディング曲を吹いたら、気に入ってくれた子が、ピアノで弾こうと練習を始めた。トランペットを鳴らせる子が出てきた。ストロー笛もやってみた。段ボールの工作が流行っている。照明もないような舞台だけど、舞台セットとして、段ボールを色々使おう。

明日は、いよいよあいのてさん3人がそろいます。そして、ワニバレエのボーカルをしているレゲエシンガーのラバマン・ウエインさんも登場します。楽しみです。

体育館ですが、プロジェクターを使って、子どもたちの48枚の絵を見せながら進められそうです。だから、音楽劇というよりも、音楽紙芝居になりそうです。

3月10日の本番は、13:30開演。第1部は、プロの音楽家による演奏で、あいのてさんコンサート、ラバマン・ウエインの歌、P−ブロッで構成。第2部は、音楽紙芝居「ワニバレエ」となりそうです。第1部が40分、第2部が20分、くらいのつもりですが、もう少し長くなっちゃうかな?

ワークショップの様子は、林加奈さんの日記にもあります。
http://blog.goo.ne.jp/kananagano/
糸井登先生の日記にもあります。
http://susumu.exblog.jp/