野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

天声祝福

体調も回復してきました。皆さん、ご心配をおかけしました。

作曲家の坂野嘉彦さんが、昨日と今日はこちらに滞在。しかし、滞在中に大商ギター部とのリハーサルがとれないので、スコアを見ながら、坂野さんに色々質問をして、楽曲のイメージについて確認。これをもとに、来週、ぼくがリハーサルに立ちあうことになります。

それから、船迫中学校吹奏楽部とのワークショップ。久しぶりに、この中学生たちとも会います。昨年3月には、倉品淳子さん、絹川友梨さんの即興芝居と共演したりした中学生です。今日は、第5音泉の「祝電フィナーレ」のための曲を作曲し、2月には倉品さんや矢内原さんとの絡みもしたいです。で、今回の「十年音泉」は、「たいにいず」のメロディーも、「ママとパアテルル」のメロディーも、「テキストのたね」も、いすとりゲームで作りました。だから、今日もいすとりゲームで作曲しました。

それで、すごいフィナーレにもってこいの曲ができたのです。最後までいすとりゲームで勝ち残った二人に、完成した曲を聴きながら、一単語を考えてとお願いしたところ、女の子が「天の声と書いて天声」と言い、男の子が「祝福」と言ったので、「天声祝福」という曲になりました。

これが、あまりにもいい曲なので、第5音泉の「祝電」のイメージが一気に膨らみました。しかも、この曲と「ママとパアテルル」を重ねて演奏しても、いい感じなのです。そう考えているうちに、第5音泉は、この「天声祝福」のメロディーから始まり、その場で作曲し、会場全体で演奏する楽曲を作るワークショップになる予感がしました。

さらに、全体の構想が進んでいます。再び、現状での音で全体の構成を書いてみると、
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プロローグ 「温泉の音」と客席内で池田邦太郎さんのワークショップでやった音の森
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Ⅰ     「ママとパアテルル序曲」(吹奏楽
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Ⅱ−1   「ママとパアテルル幻想」(吹奏楽
Ⅱ−2   「ママとパアテルルのホケット」(吹奏楽×2)
Ⅱ−3   「光の広報」(吹奏楽×2)
幕間    「テキストのたね」(吹奏楽+朗読)
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Ⅲ−1   「タヌキとキツネ」(児童合唱+ピアノ)
Ⅲ−2−1 「タケヤブヤケタ」(声×4、口琴
Ⅲ−2−2 「ブタヤケロック」(歌とバンド)
Ⅲ−2−3 「ブタヤケバラード」(歌とバンド)
Ⅲ−2−4 「ケタヤブ」(合唱)
Ⅲ−2−5 「タケヤブレクイエム」(児童合唱)    
Ⅲ−3   「幻覚協奏曲」(吹奏楽+ソロ楽器ほか)
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Ⅳ−1   「ママとパアテルル舞曲①」(ギターオーケストラ)
Ⅳ−2   「たいにいず」(ギターオーケストラ)
Ⅳ−3   「ママとパアテルル舞曲②(ワルツ)」(ギターオーケストラ)
Ⅳ−4   「ギター舞曲」(ギタートリオ)
Ⅳ−5   「ママとパアテルル舞曲③(ポルカ)」(ギターオーケストラ)
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Ⅴ     えずこアカデミーの演奏
      「天声祝福」(全員)
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これに、あとワークショップでできた曲が、どこかに入っていきます。でも、かなり、全体がクリアに見えてきました。ぼくとしての売りは、「ママとパアテルル」の吹奏楽バージョンが、冒頭に3曲続けて出てくること。その後、ずっとあいて、ギターのところで、間をあけて3回出てくること。あと、「たけやぶた」の最初と最後の歌が「たけやぶやけた」という歌詞で統一されて、しかも、どちらも張り詰めた楽曲であること。そして、その張り詰めた2曲の間に挟まる音楽も芝居も、しょぼしょぼ、お気楽、コミカル、へたうまなノリでコントラストがくっきりついたこと、などです。