野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

桃太郎

マルガサリメールマガジン転載します。

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  Margasari News vol.22  2006/09/05
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―― Margasari Newsはガムラングループ・マルガサリの          
   
      最新の活動情報をお伝えするメールマガジンです。――

 楽舞劇『桃太郎』全5場の通し公演が近づいてきました。直前ですが、あらためて
ご案内とお願いを申し上げます。
 『桃太郎』は作曲家の野村誠さんとともに、5年の歳月にわたって作りあげてきた
作品です。楽譜を全く用いず、現場でひとつひとつの音や言葉、身振りを確かめなが
ら、じっくりと組み上げてきました。第1場(2001)と第5場(2005)では、全く異なっ
た表現方法になっています。まさに、マルガサリのこの5年の歴史が刻み込まれてい
るといっても過言ではありません。将来には、この作品をもって世界各地をツアーす
るつもりでありますが、まずはみなさんに全作初演に立ち会っていただきたく、ここ
にご案内申し上げる次第です。
 また、これまで支援をいただいてきた碧水ホールともども、この作品で200名の
観客を集められないようでは、ガムランのプロジェクトに未来はないと考えておりま
す。下手をすれば、これが碧水ホールでの新作上演の最後のステージになるかもしれ
ないという背水の陣にあります。なにとぞ、さらなる発展の可能性を見出すために手
助けいただきたく、ご来場を切にお待ち申し上げております。

★碧水ホールガムランプロジェクト2006 Vol.2★

楽舞劇「桃太郎」全5場通し公演

日時:2006年9月10日(日) 
   13:00開演(12:00開場)  
場所:滋賀県甲賀市碧水ホール(下記URLを参照下さい)
チケット:一般 前売2000円 / 当日2500円
     学生(中学生〜大学生) 前売1000円 / 当日1500円
     小学生以下無料
出演:マルガサリ、ラハルジョ、林加奈、魚谷尚代、大石麻未
   中西俊介、今橋朋子、根無一信、野村誠

企画制作: 中川 真
音楽監修: 野村 誠
舞踊振付: 佐久間 新
舞台監督: HIROS
衣  裳: 水谷由美子 岡部泰民 永冨真子 片山涼子
美  術: 坪井優子 原田満智子 西真奈美
ヘアメイク: 嵐チカ
照  明: 滝本二郎
主催:甲賀市教育委員会 / 甲賀市碧水ホール
後援:インドネシア共和国総領事館
協力:ティルト・クンチョノ / (有)ナルナセバ / ブルーウェイ(株)


【プログラムノートより】代表:中川真

「戦いの手が止まって  鬼の目を覗き込んだ時
 今まで見たことのない  不思議なまなざしに 惹きつけられてしまった」

 マルガサリ版「桃太郎」の意外な結末は、周到な計算の上でそうなったのではな
い。それはある日、ぼくのアタマの中で閃いただけだ。しかし、そうすることに
よって、「桃太郎」はこれまでと全く異なる意味をもち始めた。というよりは、
その改変の意味について考え込まざるを得なくなった。去年の第五場は、その1
つの回答だが、その解釈はまもなく破棄されるだろう。「桃太郎」を制作してい
て、どんどん気になったのは、オニの存在だ。
 「桃太郎」におけるオニとはいったい何か。従来の桃太郎では、オニは征伐され
る「他者」として描かれる。ほんとうにオニは他者なのだろうか?ぼくは自分の
なかのオニを見つめたいと思った。だからといって、この「桃太郎」を近代の心
理劇のようには、あるいは現代の寓話のようにはしたくない。あくまで荒唐無稽
なエネルギーをどこまでも、できるかぎり放射したいのだ。

【音楽構成】音楽監修:野村誠
第1場は、しょうぎ作曲が基盤
第2場は、声と身体を中心に創作
第3場は、喜劇で、世界の様々な音楽様式をガムランアダプテーションさせた
音楽が盛り込まれる
第4場は、ダンスで、フルガムランでの即興表現の追求
第5場は、1〜4場の音楽経験を経た先にたどり着く、歌と音楽

【チケット取り扱い】
碧水ホール TEL:0748−63−2006
チケットぴあ  Pコード234−894
(TEL:0570−02−9999)

マルガサリのHPからもチケット予約ができます。
くわしくはこちらから
http://margasari.com/