野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ジェットコースター音楽

今日は、「あいのて」の音楽リハーサル。NHKで、久しぶりに尾引浩志さん、片岡祐介さんに会う。尾引さんは、色々なイベントで演奏していると、「ワニバレエの人ですよね」と何度も間違えられたらしい。尾引さんは、あいのてでは青。ワニバレエは、白井剛くん。別人です。ちなみに、明日は、白井剛くんは、ワニバレエのロケで、牧場に行くらしい。ワニバレエの2学期バージョンは、どんなのになるのかな?

ということで、今日と明日で、#12、#13、#14、#16の4回分の内容を考えます。放送は、11月〜1月にかけてで、だいぶ先。

今回は、ディレクターは、菊地さん。三浦さんの後輩です。

今日は2回分。風船と紙コップ。

風船は、相当いろんな奏法ができるので、風船だけで5回くらい番組が作れそうです。そのうちのどのネタにしぼるかを考えて、一番インパクトのある音にしました。フリージャズのサックスみたいな音、ヘビメタのギターみたいな音が出ます。

風船の曲は、ゆったりしたワルツと、ハードロックが交互に現れるような曲になり、ちょっとワニバレエみたいな構成です。このタイプの構成は、昔pou-fouというバンドをしていたときに、「Hawaiian Atomic Smile」、「墓を暴かれたサティ」という2曲でやっていました。ゆったりと、激しいを、交互にコラージュして繰り返すのです。どうして、そんな曲を作るようになったか、というのには理由がはっきりあります。

実は、1991年にソニーのオーディションに出たとき、たまたま後楽園遊園地のすぐ近くにホテルをとってもらったのです。それで、毎日、遊園地の前を通りながら、オーディションの会場に出かけていました。だから、グランプリをとった翌日、バンドのメンバー全員で、お祝いに遊びまくったのです。その時に、ジェットコースターに乗りまくりました。ぼくは高所恐怖症で、ジェットコースターは大嫌いで、その時以来乗っていませんが、その日は、勢いで乗っちゃいました。ジェットコースターというのは、ゆっくりゆっくり上ります。そして、ある時突然、強烈なスピードで落下するのです。この単純な体験を音楽にしようと思って作ったのが、「Hawaiian Atomic Smile」です。それ以来、このジェットコースター的な音楽が、一つの様式として自分のものになりました。だから、ワニバレエは、ジェットコースター体験がもとになっているんです。

紙コップの方は、しょうぎ作曲で2つの曲を作りました。それで出てきた様々な場面をコラージュして1曲にしました。紙コップでリズムを刻んでいると、だんだんトランスしてしまいます。風船はソロで楽しむ楽器ですが、紙コップはジャワ・ガムランのようにアンサンブルの織り成す世界を楽しむ楽器のようです。すごく対比が面白かった。