野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ギター部

大河原商業高校(大商高)ギター部とのワークショップ。高校のギター部というと、エレキかな?バンドかな?と思いきや、クラシックギターのアンサンブルで、ソプラニーノ、ソプラノ、アルト、アルトチェンバロ、プライム、プライムチェンバロ、バス、コントラバス、ギタロン、という9種類のギターを使った合奏。3年生が引退したため1,2年生18名が参加。16時に行ったのに、全員で声をそろえて
「おはようございます」
と挨拶されたのには、おったまげたけど。

演奏を聴かせてもらったけど、独特のリズム感やフェルマータ、強弱のつけ方、歌い回しなどがあって、いい音楽だと感じた。このグループのために曲書いてもいいな、と思った。聴かせてもらった曲に合わせて、鍵ハモで即興で合わせてみた。

次に、楽譜を使わないでどんなことができるか、試してみた。やってみると、意外にいろいろできる。

まず、佐藤南さんの「ソラの音楽」の話をして、ソとラだけの音楽をやってみた。すると、ソプラニーノ、アルト、バスのソはレで、ラはミなので、レミソラの音楽になった。そこに、時々シを加えると、レミファ#ソラシの6音の音楽になった。これで、リズムを少し変えたり、時にトレモロを入れてみたりしたら、なかなか気持ちいい響き。しかも、譜面でない音楽にも抵抗なく楽しんでもらえたようで、それほど戸惑いもなくやってもらえた。可能性あり。

続いてやったのが面白かった。参考にしたのは、池田邦太郎さんの方法。池田邦太郎さんが、一人缶カリンバを3回だけ演奏できる、というのをやっていたことがあった。これを真似してみようと、一人一音を1回だけ使って演奏する、というのをやった。ぼくの右手が弧を描く間に、各自が一音だけ鳴らす。すると、18音がバラバラなタイミングでなるのだけど、これが無調のなんとも言えない響きになった。そして、その後に全員で、今だした音より半音高い音を演奏。18音がバラバラのアルペジオでなった後、その和音の半音高い音が鳴る。その18音は、毎回違った響き。これを、ぼくが即興で台詞を言った後にやってみた。これで、サスペンスドラマ風の効果音体験は終了。

かなり色々やれそうなので、これから、少しずつコラボして、培っていきたいな、と思った。