野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ズーラシアの音楽

岐阜の野村幸弘さんを訪れ、「ズーラシアの音楽」の編集最終チェック。10月21日から12月18日まで、横浜トリエンナーレの会場で毎日上映する。
余分なシーンを若干抜いたり、音量を微妙に調整したり、それと動物の名前を順に字幕で出して、動物と動物の間を区切ることにした。ちなみに、出てくる動物は、シシオザル、ドゥクラングール、オランウータン、北極グマ、インドライオン、アリクイ、ニホンザルウミネコ、オットセイの9種類、映像は約18分になった。

ヒューから、さっそくSalendine中学校でのセッションの結果がメール。かなり面白いことになっていそう。メールの内容を雑に訳しておきます。

第1部は、Blackcurrantの枝をテーマにしたもの。ヒューは自宅の庭から、Blackcurrantの木を刈って、持って行った。この匂いは思ったよりも不評だったらしい。生徒と一緒に枝を折って、匂いをかぎ、振り回した。他の教室の人から見たら、異様な音楽の授業だったに違いない。この枝から連想した言葉を書き出した。(Tree, Blackcurrant Juice, Green tea,
Green, Grandma's back garden, Misty Mornings, Rain, Strong, When you cut nettles down, Kind of dead)
それから以下の5つのタイトルで短い曲を5曲作り、それを通して一つの曲にした。
1 匂いの衝撃(Shock of Smell)
2 緑茶の葉(Greentealeaves)
3 Gの木(G Tree)
4 どこにも枝(Branches Everywhere)
5 霧の朝(Misty Morning)

第2部は「Nazoi, Muzui, Mizui」

その後、野村から送られてきた3つの日本語「なぞい、むずい、みずい」の意味を想像した。
Nazoi might be Noisy, Frustrating or Annoying
Muzui might be Music, Musical or from a Museum
Mizui might be Misery, Mystery, Awkward or Missing
(確かに、なぞいは、ノイジーに似てるし、むずいはミュージックに似てるし、みずいはミゼリーと読める)
その後、実際の意味と送られてきた絵を見て、どうやって音楽に置き換えるかをやってみた。いくつか名案が出た。で、3つの絵を選び、5〜6人のグループになって、25分で曲を作った(「イギリス人が想像した意味(ノイジーなど)」と「本当の意味(なぞいなど)」と絵の3つをヒントに)。「なぞい」は6枚の花びらの絵を使い、「むずい」はできるだけ複雑で数学的にし、「みずい」は水っぽく、しかも惨め(Misery)だったり、何かが足りない感じ(Missing)にした。
このクラスには、バリトンホルン3人、トランペット、クラリネット、フルート、ピアノ、ギター、ヴァイオリン、各1、キーボード2、あと大学生がユーフォニウム、ピアノ・鍵盤ハーモニカで加わった。あと、音楽の先生がクラリネット、それにヒューも加わった。