野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

行き当たりバッタリで渡し船に辿り着く


朝食を食べながら、相変わらず、ポロポロと雑談。
「自分で好きなような芸大作れたら面白いやろうなぁ。」
と真さん。このプロジェクトも最後は学校でもやる?学校を考えるワークショップ?それも、何だか今一つ。

そして、出かけることにして、ロビーで待ち合わせしていると、真さんがフロントで
バンコクから一番近いジャングルはどこにある?」
と質問して、困らせていた。どうやら、どこまで行っても日帰りで行けそうなジャングルなどなさそう。

「ひとまず、電車の終点まで行ってみます?」
と市内を走る電車の終点まで行くが、もちろん、そこは騒音と排気ガスバンコクだ。ここで、思い切って、デタラメに来た市バスに乗ってみた。しかし、30分進んでも、相変わらず風景は変わらず、どこまで行ってもバンコクだ。
「ま、終点まで行って、また考えるか」
と思った時、巨大な市場を通り過ぎると、運河があった。
「降りよう!」
と決断。マーケットをうろうろ。でも、別に演奏する気がしなかったけど、運河を目指して裏道を歩いているうちに、ちょっと鍵ハモ吹いてみようか、と思って、ちょっと吹いてみると、屋根の上の大工さんが笑顔で応えてくれたりして、だんだん調子に乗って吹いて行くと、そこには、渡し船があった。

この渡し船は変わっていて、対岸まで電線みたいにロープが一本張ってあって、水を漕ぐ代わりに、船頭さんが、このロープを伝っていくと、対岸に着くという仕組み。鍵ハモを吹きながら対岸に渡って、その後、船頭のおばちゃんに鍵ハモの鍵盤を弾いてもらう。ここは、緊張感があって良かった。

対岸では、額縁づくり職人の兄さんたちがいたり、王冠で遊ぶ子どもたちがいたり、、、。そんな時、モーターボートが水を切って走り去ったら、波が岸を打ち付ける音がすごく面白くって、聞き惚れる。そうだ、水の音楽、いや温泉の音楽を日本でやったらいいかな、みんなで温泉に入って、お湯の水面をタイコみたいに演奏する。
「チブロン(ガムランのタイコ)って、水の音を模しているんだよね。」

ホテルに戻り昼寝した後、夕食には、ふかひれスープを食べ、それから、タイ式マッサージの店に行った。2時間コースで約1000円。時々、くすぐったくって、ケタケタ笑いながら、色んな筋肉をほぐしてもらい、色んなポーズさせられて、かなり、カラダがほぐれて、快感。

夜のミーティングでは、またまた、お菓子を食べながら、今日は真さんが幸弘さんを勧誘していた。タイっていいでしょ?イタリア美術の研究やめて、タイ美術にしたら?岐阜大学とマヒドン大学で協定結んで、マヒドン大学の客員教授になったら?岐阜出て、京都に移ったら?などなど、真さんが、半ば冗談、半ば本気の色んな勧誘をする。