野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

散歩した/ピアノ練習した

束の間の自宅、2日目。

 

今度の日曜日に、NHKEテレの『日曜美術館アートシーン』という番組で、不知火美術館での『おかえりなさい、シスコさん』が紹介されるそうで、ぼくが小学生たちと作った歌のうちの1曲は放送されるそうだ。

 

5月22日で、ぼくの熊本ライフも2周年。里村さんが新たに購入する予定の車を一緒に見に行ったり、庭仕事、掃除や洗濯や家賃の支払いなどなど、の後、里村さんと近所を色々散歩。里村さんは、4月から熊本市現代美術館で勤務になったので、新しい環境にどう適合していくかも含めて、色々模索中らしい。ぼくは2年間の熊本生活はコロナで遠征が少なめだったが、コロナが明けてきたので、これからは遠出も増えるので、どんな暮らし方がいいか、こちらも模索中。

 

明日から遠征なので荷造りしているうちに、6月5日には、《Beethoven 250 ー迷惑な反復コーキョー曲》(2020)、《六段ー交段ー空段ー穴段の調》(2015)のリハーサルがあることに気づき、譜面を荷物に入れるだけでなく、ぼくピアノ弾くんだけど、練習する時間ないなぁ、と慌てて練習する。

 

www.youtube.com

久しぶりの自宅

久しぶりの自宅。庭の野菜たちは順調に育っている。庭仕事をしたり、洗濯したり。明後日から、また2週間の遠征なので、束の間の自宅暮らし。里村さんが天草にお通夜に出かけることになったので、片道2時間程度のドライブに同席し、色々語り合う。

 

8月のサントリーサマーフェスティバルのフライヤーの校正作業が大詰め。

 

6月1日は、豊川(愛知県)のオリエント楽器で、Jane Bentleyとのトークイベント

作曲家でピアニストの野村誠さんとスコットランドの音楽家ジェーン・ベントリーさんによるトークイベントを、豊川で開催します!
「音楽ワークショップの可能性とファシリテーション 〜コミュニティをこえて音楽でつながる〜」
6月1日(木)10:30〜12:30
会場:オリエントホール (オリエント楽器 豊川店2F)
 英国の高齢者施設や病院での活動事例、日本や海外でのこどもやお年寄りや障害のある人など多様な人たちとのワークショップの事例を紹介し、音楽ワークショップの地域での活動の可能性やファシリテーションについて、オリエント楽器の鎌田社長を交えてディスカッションを行います。
音楽によるコミュニケーションやアウトリーチなどを目的とするワークショップに関心のある方(音楽家や音楽指導者、研究者、学生、教育や福祉等の現場に音楽を取り入れることに関心のある方など)を主な対象とするトークイベントです。
参加費:1,000円  定員:30名程度 お申込み順
お申込み:下記のお申込みサイトから、またはメールでお申し込みください。
      ※定員に達し次第終了。定員に空きがある場合は前日まで受け付けます。
      ※会場内のトイレが車椅子対応ではないため、車椅子でご参加の方は事前にお知らせください。
参加費のお支払いは、当日受付でお願いいたします。
お申込みサイト:https://forms.gle/ybPpHWqGcEdcxQPz8
メールの場合は下記の項目をお送りください。
①お名前(ふりがな) ②ご連絡先電話番号 ③ご年齢 ④ご性別 ⑤ご参加の理由 
⑥普段音楽活動やワークショップなどの活動をされている方は、ご活動や主に専門とする楽器等を教えてください。
メールの宛先:yoshinosemi10th@gmail.com
お問合せ:yoshinosemi10th@gmail.com
会場:オリエントホール (オリエント楽器 豊川店2F)
最寄駅:JR飯田線牛久保駅より徒歩8分、名古屋鉄道稲荷口駅より徒歩7分
駐車場:オリエント楽器HP豊川店駐車場案内をご確認ください。    https://www.orientmusic.co.jp/shop/toyokawa.php#access_area
電話0533-84-3145
営業時間10:00〜18:30 水曜・第3木曜日定休

 

6月4日は、オリエント楽器で、吉野さつきコーディネートで、Jane Bentleyと野村誠のワークショップ

作曲家でピアニストの野村誠さんとスコットランドの音楽家ジェーン・ベントリーさんによるワークショップを開催します!
「むかしばなしから音楽をつくろう!」
6月4日(日)10:00〜16:00 ※途中お昼休憩を挟みます。
会場:オリエントホール (オリエント楽器 豊川店2F)
 豊橋や豊川など東三河に伝わる民話や妖怪のお話しと、スコットランドの民話や妖精のお話しなどをもとに音楽をつくります。誰でも簡単に音を鳴らすことのできる打楽器や、缶やフライパン、文房具などさまざまな身の回りにある物も楽器として、二つの国のお話しから楽しく不思議な音楽をつくって一緒に演奏しましょう!
こどもからおとなまで、どなたでもご参加いただけます。
参加費:500円  定員:20名程度 お申込み順
お申込み:下記のお申込みサイトから、またはメールでお申し込みください。
     ※定員に達し次第終了。定員に空きがある場合は前日まで受け付けます。
     ※会場内のトイレが車椅子対応ではないため、車椅子でご参加の方は事前にお知らせください。
参加費のお支払いは当日受付でお願いいたします。
お申込みサイト:https://forms.gle/kWrrFx3FCjcyKtpU7
メールの場合は下記の項目をお送りください。
①お名前(ふりがな) ②ご連絡先電話番号 ③ご年齢 ④ご性別
複数名でのお申込みの場合、①③④については全員分、②については代表の方のみご記載ください。
メールの宛先:yoshinosemi10th@gmail.com
お問合せ:yoshinosemi10th@gmail.com
会場:オリエントホール (オリエント楽器 豊川店2F)
最寄駅:JR飯田線牛久保駅より徒歩8分、名古屋鉄道稲荷口駅より徒歩7分
駐車場:オリエント楽器HP豊川店駐車場案内をご確認ください。    https://www.orientmusic.co.jp/shop/toyokawa.php#access_area
電話0533-84-3145
営業時間10:00〜18:30 水曜・第3木曜日定休

 

6月6日は、東京大学で、柳沢英輔さん、Nick Luscombeさん、森下侑さんらと、Memu Earth Labでの活動についての報告会に参加。

June 6th - 10th, 2023
We will have an Open Week in Tokyo, Institute of Industrial Science @ Komaba, from June 6th - 10th. The opening film screening, "rereading  forest" by Ayako Mogi, on the 6th at 10am, will continue through the 10th in the gallery space. 12pm, Sonic Intervention and Talks with Makoto Nomura, Eisuke Yanagisawa, Rahel Craft and Nick Luscombe to follow. Makoto Nomura will be releasing his CD"Memusica", where Eisuke Yanagisawa will be previewing his upcoming release, both coming out of fieldwork during our research retreat program. Open Lab by Rahel Craft, "Echoes of Memu" presents ever-changing-sound pieces throughout the week. On June 9th from 6pm, we will have a conversation with Rahel Craft and Prof. Toshiya Okuro of The University of Tokyo, a landscape-ecological conservation and restoration specialist about the potentialities of marshlands surrounding Memu, in collaboration with nexCafe by Swissnex Japan. We will be live narrowcasting many parts of the week online on our Memu Radio Platform: https://www.mixcloud.com/MEMURADIO/
produced by memu earth lab

 

 

 

帰国しました

香港から帰国。

 

日本は思った以上に肌寒い。

 

昨日、日田の川開き観光祭で、《木レンジャーのテーマ》の音源(1月の公演のライブ録音)が大音量で流れたらしい。《どんどん日田どん!》の公演が終わっても、こうして地元で活動が継続していくのは嬉しい。

CCCDで9時間のワークショップ

JCCAC(= Jockey Club Creative Art Centre)に行き、CCCD(Centre for Community Cultural Development)主催のワークショップで、なんと9時間ワークショップした。i-dArtの主催で香港に行くと言ったら、モックさんが期間延長してワークショップして欲しいと依頼が来て、何日延泊できるかと聞かれたが、今週末には名古屋での《たいようオルガン》の再演もあり、1日しか延泊は無理だった。そしたら、午前中に3時間、午後6時間のワークショップになった。

 

午前は、高齢者のグループで、昨年、オンラインで毎週1回(合計4回)ワークショップをして、地球温暖化の歌を作ったので、オンラインでは会っている。実際に会うのは初めて。彼女たちが2019年に作った歌を、デイヴィッドがギター伴奏で歌ってくれる。2019年はデモがあった年。その経験を経て、話したいのに話せないこと、言葉にできずに胸の中にしまっている感情を歌にした、という。広東語は分からないけど、それでも彼女たちの言葉にならない切実な言葉を感じられた。

 

「一緒で楽しい」という日本語のリズムで打楽器をやったり、それを広東語にして歌ったり楽器を楽しんだ。帰国直前に佐久間さん、イウィンさんが見学に来られて、見学だけでなく踊っていかれる。激しくトランスしそうなくらい打楽器を叩きまくったり、小さな声に耳を傾けたり。日本語を言ってみたり、即興でおしゃべりしてみたり。幸せをいっぱいいただいた。

 

午後は、ファシリテーションの講座。6時間の講座を受講したい人なんているのかな、と思うが、10人強の参加。ぼくの体験談を語りまくる導入、楽器で「せーの」、「1234」、「それは知らない」などの即興アンサンブルをやる。ぼくは、一人の強権的な支配者がコントロールする音楽ではなく、オーガニックにつながりあい互いにケアする関係で音楽をしたい、という強い意志があって、こうした即興アプローチをしている、ということを、何度も言う。

 

言葉からストーリーを作って、音楽劇のようなものを作る活動をした。ホワイトボードになぜかハムスターの絵があって、それが消えないでいる。アルコールを持ってきて、消そうとしてくれるので、それを制してハムスターについて文章を考えた。そこからグループごとにストーリーを作った。そして、そこに音楽の要素を足していった。ハムスターの話なのに、「香港人」のメンタリティーを象徴するような内容になった、とみんなが語り合った。「私は誰?」と自問するハムスター。ケージの中に閉じ込められるハムスター。問題行動をするハムスターを管理する公務員が出てきて、チェック項目をチェックしていく。香港の人たちが今抱えている現実の問題がハムスターに無意識のうちに投影されている。

 

四股も踏み、ねってい相撲聞もやり、すっぽんぽん体操で鼓のリズムをやり、タイの村祭りもやった。香港の獅子舞のリズムを教えてもらい、これを声や楽器でやってみたりもした。実際の現場のことで、色々質問もしてもらい、語り合う。みんなでゲームもやった。広東語で歌をつくる難しさについても話してもらった。

 

モックさんは、i-dArtの企画とCCCDの企画を連携できないか、と聞いてきた。千住だじゃれ音楽祭とも連携できたらいいだろうなぁ。

 

音楽を通して香港の人たちの思いに触れる濃密な1日だった。明日は帰国。

 

VIVA Dance and Music Projectの最終日/gwobean(果邊)

香港i-dArtとのVIVA Dance and Music Projectの最終日。本日は、中山紀念公園に出て、そこでパフォーマンスをした。宣伝をして観客を呼んでのパフォーマンスではなく、公園でヨガをしたりピクニックをしている人がいるように、ダンスや音楽をして過ごすという感じ。佐久間新さん、佐久間ウィヤンタリさん、i-dArtのメンバーたち。昨日までは施設の屋内なので、コロナのこともあって、鍵盤ハーモニカは多用しなかったし、使う時もマスクをして吹いた。マスクをしながら吹くと息苦しい。今日は野外で距離も離れているので、マスクなし。マスクなしのケンハモ演奏は、炎天下でも呼吸が楽で楽しかった。i-picnicでジョグジャカルタ、クレムスなどで野外で即興演奏を撮影した体験を想起した。公園にもセキュリティの監視の人が巡回していて、我々のパフォーマンスを写真にとったり、電話で話したりしていた。2019年のデモの後に初めて香港に来たが、以前はこんなに監視の人や警察を見かけなかったと思う。

 

i-dArtのみんな、イェン、メキシカ、リオとお別れ。濃密な1週間だった。

 

2月に「世界のしょうない音楽祭」を見に来た香港在住の研究者でアマチュアオーケストラでヴァイオリンを演奏している田村さんが知人のブコビッチさんを連れて鑑賞してくれた。田村さんとは、その後、ランチなどもご一緒した。香港在住4年の方なので、コロナや2019年のデモの時期に香港で暮らした方。

 

夜は、アートコレクティブのgwobean(果邊)の共同アトリエに移動。環境とアートのことをリサーチするシウユッに案内してもらう。DJ、アーツマネジャー、研究者、デザイナーなどなどが使っていて、先週はメキシコ人のアーティストが泊まっていたとのこと。ベランダでは、野菜やハーブをプランター栽培している。色々なジーンがあって、gwobeanのジーンもあり、ジェンダー、環境などのテーマで何号か発刊。シウユッがビーガンの店に夕食に連れて行ってくれるが満席。なんでも、コミュニティとアートに関する会議の打ち上げになっているようで、顔見知りの人がいっぱいいるらしく紹介される。日本人の山崎亮さんというコミュニティデザインに取り組む方がいるよ、と紹介してもらいかけるが、別の人と話し込んでいたので、ニアミスのまま別の店に行く。2019年のデモに参加していた時のことを、少し話してくれる。いい本屋があるけど行きたいか、と連れて行ってもらう。この辺は、数年前までは路上パフォーマーがいっぱいいたんだ、と言う。規制が厳しくなっている。でも、一人路上シンガーに出会う。オフィスに戻り、ソファーベッドで就寝。

 

VIVA Dance and Music workshop5日目=パフォーマンスツアー

香港のi-dArtの招聘による1週間もついに大詰め。月曜日から木曜日まで4日間続いたワークショップを経て、金曜日の今日がここでの最終日。今日は、単なる発表会ではなく、様々な施設を巡っていくゲリラ的なツアーパフォーマンス。それは、こんな行程だった。

 

12:00-12:15 C棟(2階)の高齢者施設に行き、廊下や各部屋に入って行って、その場で即興のダンスと音楽。

12:20-12:35 B棟(2階)の身体障害者の施設に行き、その場で即興ダンスと音楽。

12:40-12:55 B棟(地階)の作業所に行き、各自が仕事をしているその場で、即興ダンスと音楽の出前パフォーマンス。

13:00-13:20 中庭のカフェの前で、ダンスと音楽のパフォーマンス。

13:20-13:30 事務系のオフィスや作業療法士のオフィスなどをダンスと音楽で練り歩く。

13:35-14:00 A棟(1階)の知的障害者のデイサービスの施設に行き、その場で即興ダンスと音楽。

 

これを、ダンサーの佐久間新さん、佐久間ウイヤンタリさん、野村誠だけでなく、i-dArtのダンス+音楽ワークショップのメンバーたち10人ほども一緒になって巡っていく。5年前に色々無茶な企画を提案して実施したけれど、その時は各施設の施設長にプレゼンして説明したり、色々実施するまでも大変だったけれども、その時の経験が一つの実績となっていて、今ではみんながこうした活動を受け入れている。5年前のレジデンスで無茶なことをいっぱいしたことが、ちゃんと今に繋がっていると感じられて嬉しい。

 

メーリン、リオ、メキシカ、佐久間さん、イウィンさんと、プチ打ち上げして話し込む。いよいよ、明日は、施設の外(町に繰り出して)のゲリラパフォーマンス。

VIVA Dance and Musicの4日目

香港滞在も中日。VIVA Dance and Musicの4日目。午前中は、C棟2階でのワークショップ1時間と、C棟地階でのワークショップ1時間。いずれも高齢者の施設で、視覚に障害のあるお年寄りの施設。

 

お年寄りたちに佐久間さんの動きに反応して動いてもらい、それに合わせて野村が音楽をする時間。お年寄りたちから広東語を教わり、その言葉のリズムで音楽をする時間。楽器を配って自由に鳴らしながら、それに合わせて佐久間さんが動く時間。粤劇(広東オペラ)のメロディーを教えてもらって歌う時間など。どちらも、あっという間の1時間だった。少し広東語を思い出し、少し粤劇を思い出す時間でもあった。佐久間さんとお年寄りが即興で踊るのは、時に奇跡のような瞬間をもたらす。

 

その後、イェンとイヴォンヌと打ち合わせ。9月のi-dArtの日本ツアーについて。ガチャ・コン音楽祭とも少しでもジョイントできるといいなぁ。

 

今朝、香港に到着したイウィン(佐久間ウイヤンタリ)さんと合流。午後の選抜メンバーとのワークショップには、イウィンさんも加わる。このメンバーと明日、明後日にパフォーマンスをする。今日のワークショップも、リハーサルというより自然発生的なセッションの連続だった。途中、メキシカの提案で、イウィンさんと佐久間さんのデュオダンスを見せてもらい、これが色々な場面がある素晴らしいデュオダンスだったのだが、これに触発されて、メンバーたちも色々なデュオダンスをやり始めた。表現の幅が広がっていく。ピアノ連弾で即興もした。まだまだ面白くなっていきそう。

 

打ち合わせの後、イウィンさん、佐久間さんと街に繰り出す。トラムもフェリーも久しぶりに乗った。