広島の山小屋シアターで、ディディエ・ガラスの一人芝居『戦争 SENSO -The Game of War』があるので、日帰りで広島に行く。原爆が投下された地でもある広島という町で、戦争というタイトルの演劇を見るとは、どういう体験なのだろう?
ディディエは、非常に身体性の高い演劇を発表しつつ、しばしば哲学を題材にしている。2年前に音楽でがっつり関わらせてもらった『アフメドは語る 音にのせて』も、哲学者アラン・バディウが原作で、移民排斥、排外主義などを扱った演劇だった。
今回は、500年前の小説フランソワ・ラブレーの『ガルガンチュア』を原作としている。彼の身体の中で熟成された表現の背後には、パントマイム、能や狂言、コメディア・デラルテ、ラップなど様々な様式が見え隠れする。彼の様々な表現に惹きつけられ、開演前には泣いていた子どもも集中し、会場は笑いに溢れる。でも、戦争。笑いとユーモアで、戦争の滑稽さを炙り出す。ディディエは彼の持てるエネルギーを全部注ぎ込むような熱演で、戦争をなくすために必死に戦っていた。
ディディエと久しぶりの再会。劇研プロデューサーの杉山準さん、岩﨑きえさんをはじめとする無色透明の皆さんとも再会でき、打ち上げにも少し参加させていただき、楽しく交流。ディディエの芝居を観客として鑑賞したことが、今後ディディエとコラボレーションする時の参考になり、色々気づきも多く、来てよかった。あと、同世代のディディエが俳優として、あれだけ熱演しているのを見ると、こちらも大変刺激を受け、自分の方法で戦争をなくす戦いを続けていきたいと改めて思う。
帰宅後、里村さんと『境界をうらがえす』プロジェクトのポッドキャストの音源確認作業など、など。