韓国から帰国。John Cageの『Silence』を読了。今さらケージの本なんて読まなくていいんじゃない、と思うけど、そういうものを敢えて読んでみようと思って読んだ。前から順番に全部読むというより、好きなところをぱっと開けて読むのが面白い本だけど、これも敢えて最初から最後まで全部読んでみた。言いたいことは何もない、と言いたい作曲家は、あの手この手を使って、言いたいことは何もない、と言いたがっていると同時に、構造とか音とかへの関心は強く、それは本のデザインとか、にも繋がっていく。
3月の香港滞在のためのビザ取得の書類を記入して送る。申請書類とか本当に嫌いで、枠の中に文字を入れること自体に、不自由を感じて、枠からはみ出したくなるけど、我慢して枠の中に書く。我慢するとできるのだけど、我慢の癖をつけ過ぎると、自由に作曲できなくなりそうに思い、そんなことはないんだけど、自分のその感覚を大切にしようと思う。
書類を終わらせて、《一人芝居〈コントラバス〉のためのコントラバス四重奏曲》の譜面を書く作業に戻る。完成していると思うものに少し手を加えると、どんどん変わっていき、新しい風景に出会えるので、ついつい楽しくてやり続けてしまう。気がついたら1日が終わっていた。