野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

河童と相撲/パープルリボン作曲賞本選会

ピアノの調律が入り、我が家のピアノの音色が全く変わってしまい、当惑の一日。これまで、30年かけて上野泰永さんと培ってきた関係があり、感覚的な部分を阿吽の呼吸で伝えてきたので、また、これから内川明さんとやりとりしながら、ピアノの音色を協働作業で作っていく必要があるなぁ、と思う。まずは、調律によって、何がどう変わり、自分は何を望んでいるのかを、いろいろ言語化すべく、色々な曲をピアノで弾いてみる。

 

《どんどん日田どん》の作業はつづく。日田祇園囃子の《水郷節》を色々とアレンジしたり変形すると同時に、水の郷である日田について考えると、水と相撲を結びつける河童の存在が浮かび上がってくる。山本宏子さんの『河童の民俗芸能』という論文を、パトリア日田の中村美波さんが見つけてくれたので、これを勉強中。平家の残党が現在の久留米あたりまで逃げてきて、最後は筑後川に沈む。その化身が河童という設定の祭文が、大分のあちこちに残っている。そして、河童は、

 

音楽を奏して遊戯をなす。

末代に至るまで万民各々のため我この音楽を奏し祭りをなさば、国家安全、五穀豊穣にして、民豊かに牛馬に災いなからしめん。

 

と言うのだ。水郷と河童と相撲、結び付けられないかなぁ。リサーチはつづく。

 

高村木材さんより、ペダル式の板太鼓のスケッチが送られてくる。《どんどん日田どん!》、どんどん膨れ上がるといい。

 

カウンセラーの草柳和之さん、ピアニストの清水友子さんと、パープルリボン作曲賞本選会の打ち合わせ。本選会は、予選通過した作品が一挙に演奏されるコンサートで、一般の方も来場できるので、是非、お越しください。

 

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