野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

問題行動トリオ/《問題行動ショー(トワダノワダイ)》/水牛のように/太田省吾の《棲家》

本日は、問題行動トリオのオンライン・ミーティング。2月5日、6日に行う十和田市現代美術館の公演について。それぞれの公演の構成とか内容について、野村が年末に案を作ったので、それをたたき台に話し合う。砂連尾さん、佐久間さんのアイディアが盛り込まれて、さらにブラッシュアップされる。

 

昨日、ピアノに編曲した《問題行動ショー(トワダノワダイ)》をひたすら練習する。全然弾けないところも、少しずつ指に覚えさせている。そのうち、体が覚えてくれるかな。2月6日の本番まで1ヶ月。

 

御喜美江さんがプロデュースした高橋悠治アコーディオン独奏曲《水牛のように》のCDを久しぶりに聴いた。いいアルバム。4人のアコーディオン奏者が、同じ曲を弾いていて、さらに、水牛楽団の原曲の録音もあり、原曲の歌詞の作詞者自身による朗読も入っている。水牛楽団の歌のメロディーをもとにしたアコーディオン独奏曲は、メロディーも出てくるけれども、随分、変容していて、密かに水牛のメッセージが曲に残っている。「だが歌は耕していく 水牛のように」という歌詞は、なんだか勇気づけられる。SNSで瞬時に情報が拡散されていく時代にこそ、水牛のようにゆっくりと着実に活動していきたい、と改めて思った。

 

太田省吾の《棲家》をきたまり振付で3月に京都で公演する予定なので、戯曲を音読しているうちに、戯曲をピアノ曲に変換するアイディアを思いつく。途中で、主人公が数字を数えるシーンだ。数字が、35‥‥45‥‥55‥‥66‥‥77という具合に増えていったり、77‥‥70‥‥65という具合に減っていくところがある。ピアノの鍵盤は88あるから、これをピアノの鍵盤に置き換えてみようと、左から35番目の鍵盤、45番目の鍵盤という感じで、太田省吾の戯曲をピアノ化してみた。すぐさま録音して、きたまりに送る。最終的に作品に残るかどうかは分からないけれども、戯曲を音楽に変換する作業、しばらく続けていきたい。

 

一日中、だいたい《問題行動ショー(トワダノワダイ)》を練習していて、微妙に修正したいところなど出てきて、また少しだけ三本木小唄をトッピングして、本日の改訂版の譜面を再度印刷して練習。死者との対話、この場にいない人との対話ができるような音楽にしたいので、この世とあの世の橋渡しができるように、曲を作っている。祈りができるように演奏も練り上げていきたい。

 

年末年始を経て、コロナの感染者数が増えてきている。昨年も1月に第3波きた。1−3月に予定している公演が、予定通りできると嬉しいなぁ。これ以上、感染者数が増えませんように。