野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

レスターへ

トーキーから電車で4時間半ほどの旅。レスターへ。レスター駅で、音楽家のDuncan ChapmanとIsabel Jonesの二人と会う。ダンカンと会うのは、10年ぶり。イサベルとは初対面だが、彼女は9月のぼくのレスターでのビデオ発表を聞いていて、非常に会いたいと思ったらしい。

彼らは、それぞれミューズカンパニーの招聘で、2度日本に招聘されている。二人がやっている聴覚障害の人と共同で行う観客参加型の野外パフォーマンスWhite Caneの話を中心に聞かせてもらう。観客とパフォーマーの境界、パフォーマンスと日常の風景の境界、様々な境界を飛び越えていく。面白い。イサベルは歌手で作曲家でオーガナイザーでヨガの先生で音楽療法に影響を与えるmusic interactionもやる人。ダンカンは、エレクトロニクスや様々な日用品などで音と人を繋げていく作曲家。二人は、ぼくとコラボレートしたい気持ちや、日本で何かできないか、ということを、色々熱く語ってくれた。何かできそうな気がする。

その後、ジョン・リチャーズの家に。ジョンは、24年前にヨーク大学で出会い、野村の作曲した「でしでしでし」をヨーク大学のコンサートで演奏し、野村とヒューのライブツアーにも参加し、ヘスリントン教会での神戸の震災のためのコンサートを野村がオーガナイズした時にも出演してくれた親友。今はレスターのデモントフォート大学の先生。昨年は札幌の芸術祭の招聘で日本に来て、我が家にも泊まりに来てくれて、東京でのライブにも出演し、老人ホーム「さくら苑」と千住だじゃれ音楽祭のワークショップにも参加してくれた。

ジョンとデモントフォート大学に移動。同僚の先生たちに紹介される。テレビ番組「あいのて」の動画を見たことがある人とかもいて、色々質問されたりする。その後、彼が大学院生の指導をしている間に、キャンパスを散策して後、大学院生とジョンとパブに行く。

個人指導の後、パブで雑談。雑談は、政治の話から、スコーンにジャムとクリームをどっちを先にぬるかの話まで、幅広く3時間以上つづく。

レスターは古い町で、古い町並みが残る。デモントフォート大学と呼ばれる理由は、11世紀にイギリスがフランスに侵略された時に、このあたりが、デモントフォート家に支配されたことに由来する。今は、多民族で、インド系、アフリカ系、アラブ系、アジア系、様々な人種が住んでいる。

ジョンの家に戻る。ジョンのパートナーのサラとも再会。彼女とも24年前にヨークで出会った。中のよかった友人だ。今はレスター大学の図書館の偉い人になっている。昨日のことのようだね、とジョンが言う。