野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

異国の鳥とインドの古文書のまなざし

新月。久しぶりの日本。久しぶりの自宅。

朝から、ピアノでメシアンの「アーメンの幻影」の練習(9月4日の両国門天ホールでの中川賢一さんとの2台ピアノコンサートに向けて)。その後、ベートーヴェンの分析(7月16日のレクチャーに向けて)。

3ヶ月分の郵便物を、順番に開封。アコーディオニストという冊子が送られてきていて、野村誠作曲/大田智美編曲「オットセイ」の譜面が掲載されている。多くのアコーディオン奏者が取り組んでくれると嬉しい。13年前に、横浜のズーラシアで、オットセイの前で演奏した即興演奏は、11年前に、山下残ダンス公演「動物の演劇」でアコーディオン曲になり、その後も大田智美さんが何度も演奏してくれたのだが、13年経って、こうして楽譜が展開していくのだなぁ。

とりあえず、お寿司屋さんでランチを食べて、本屋さんにも入ってみる。日本が珍しい。

洗濯物がよく乾く季節。

祇園祭に出かけたりすることもなく、家で作曲。「オリヴィエ・メシアンに注ぐ20のまなざし」という新曲の第1曲「異国の鳥とインドの古文書のまなざし」。メシアンの7巻から成る論文集の第1巻に、インドの昔のリズムに関する章がある。久しぶりにこの本をあけてみると、120のリズムが詳述されていて、全部に鉛筆で書き込みがしてあるので、どうやら、昔のぼくは、これを全部読んだらしい。で、120のリズムを全部使った曲にすると小品にならないので、いくつかを選んで使うことに。どれを使うかは、トランプをめくりながら決めることに。

実際に、ランダムに選んでみると、メシアンっぽいリズムもあるが、意外にそうでないリズムもある。

ということで、作曲が完了。演奏は大変だけれども、2台ピアノでやると面白い音響になりそう。

そして、明日の福岡に向けて、映像の準備など。