野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

今日はディディエが欠場

フランスのマルセイユにおります。先月の「千住だじゃれ音楽祭 第2回定期演奏会」の記録映像のチェックのため、データをダウンロード。こちらのネットは日本に比べて遅いので、なかなか時間がかかりますが、ようやくダウンロード。

午後からERACM(演劇学校)へ。本日、演出家のディディエが風邪で欠席で、午後の4時間のワークショップは、野村の仕切りで進めました。

1)まずは、フランス語や英語を使わずに、各自の架空の言語でカウントして歌が始められるように、各自「1234」にあたる単語を、それぞれの架空の言語で作ってもらう
2)昨日つくった16言語の歌に、昨日休んでいたポーリンの単語を一語加えて17言語の歌にする
3)誰かが、その人の言語で「1234」とカウントしたら17言語の歌を全員で歌い、歌い終わったら、誰か二人が、それぞれの架空の言語で即興対話劇をする
4)17言語の歌を歌っている時に、徐々に、みんながノリノリになってきたので、振付を考えようと提案すると、(ディディエのワークショップの)フォーカスゲームのやり方でどうかと意見あり、フォーカスゲーム+17言語の歌+即興対話劇になる。これが、めちゃくちゃ面白くなった。さすが演劇の学生たち。また、先週は、いっぱい身体を動かしていたし、これくらい身体を動かしまくってみたいんだろうなぁ、とも思った。
5)フォーカスゲームで身体を動かす際に、誰かがボディーパーカッションでリズムをやったりすると、一つのテンポ感で統一されやすいが、敢えて、異なったテンポが共存できるような練習。野村がパーカッションでリズムをキープして伴奏し、それに抗って、違った時間で動けるようなトレーニング。
6)ベン・スハルトの即興の教えを参照するなど、学生たちは、先週の講義をよく覚えていて、自分たちの課題を言語化して取り組んでいる。即興で何もアイディアが出てこないとき、中途半端に動くのでなく、堂々と静止する、堂々と何もしないでいる、という勇気を持つことについて、議論。また、何もしないということの雄弁さについても語り合う。
7)学生達から、2曲の「フェイク日本語ソング」のもとの曲を歌ってくれ、とリクエストされ、歌って聞かせる。爆笑の時間。
8)最後に、16人がそれぞれ別々の単語を歌いながら、徐々に、他の人の歌をコピーして、最後に一つの歌になっていく、という声のアンサンブルをやってみた。これが、予想以上にスムーズにできて、この学生たちの理解力や適応力の速さに驚く。このやり方で何度かやってみるが、毎回いい感じ。

ということで、ディディエさんがいないのは寂しいですが、野村仕切りでのワークショップは、非常にいい感じで進みました。ぼくの方は、風邪が治りきったわけではないですが、80%回復。

夜も出かけず、のんびりして身体を休める。